【第08回】五臓六腑の関係性の覚え方【漢方・中医学が苦手な方向けの勉強法】

くくたる@薬剤師
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こんにちは!

くくたる(twitterはコチラ)です!

【薬剤師歴11年目】
●フリーランス薬剤師
●管理薬剤師歴:調剤3年、OTC1年目
●1人薬剤師歴(調剤):2年

【漢方薬・ハーブの資格】
国際中医師
●ハーバルセラピスト
●シニアハーバルセラピスト
※国際中医師は医師免許ではありません。

 

第01~07回までは気・血・津液・精について紹介をしましたが、今回からは五臓六腑について紹介していきたいと思います!

1つ1つは難しくないと思いますが、正直な所覚えることが多いと思います…!

 

くくたる@薬剤師
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なるべくわかりやすくをモットーに紹介しようと思っています!

お付き合いいただけると嬉しいです!

 

五臓六腑を理解することでどうなるか?

患者さんからの相談された際に、訴えが中医学でいうどの臓器が影響しているかがわかるようになります!

 

食欲が出ない場合を例にSOAP風に2つ紹介します!

 

パターン①

S:食欲が出ない

O:生ものを食べることが多い

A:生ものは身体を冷やしやすい。胃腸が冷えて脾の気虚の可能性がある。

P:気虚を改善するできる補中益気湯を提案

※気虚を疑った後、本来は他の状況も聞いて確定していきます。

 

パターン②

S:食欲が出ない

O:脂っこいものを食べて下痢症状もある

A:脂っこいものは消化に悪くベタつく。下痢をしていることから脾の気虚の可能性があり、ベタつくもの=痰湿が生じている可能性がある。

P:気虚と痰湿を改善できる六君子湯を提案

※気虚を疑った後、本来は他の状況も聞いて確定していきます。

 

ざっくりしすぎているかもしれませんが、このような感じで相手の訴えからそれを中医学に当てはめて漢方薬を選択できるようになります!

 

くくたる@薬剤師
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到達目標を明確にしておいた方が必要性が理解できると思い書いてみました!

五臓六腑とは

まずはこの絵の大きめの丸に書いた肝心脾肺腎の並びと対応する臓腑(肝であれば胆)を覚えることが重要になります!

 

●大きな丸で囲まれている文字:臓器

●小さい丸で囲まれている文字:腑

このように分けております!

 

くくたる@薬剤師
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①臓器は「かん・しん・ひ・はい・じん」

②腑は「たん・しょう・い・だい・ぼう」

 

私は①②を何度も詠唱していたところ、自然とこの順番で覚えられました!

各臓腑の関係性(相性)

相性(そうせい)と読み、機能を高める(サポートする)関係性のことです!

※矢印の方向性は右回りです!

 

例えば、脾は肺の機能を高めます(サポートします)!

 

くくたる@薬剤師
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脾は消化吸収機能と関係があり、肺は呼吸や免疫機能と関係があります!

 

飲食物をしっかり消化吸収することで免疫機能が整うイメージですね!

各臓腑の関係性(相克)

相剋(そうこく)と読み、機能を弱める(足を引っ張る)関係性のことです!

※矢印の向きは星の書き方の順です!

 

例えば、肝は脾の機能を弱めます(邪魔します)!

 

くくたる@薬剤師
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肝はストレスと関係があります!

 

ストレスが貯まると胃腸(脾胃)の調子が悪くなるのはこの関係性ですね!

五臓の種類とおおまかな役割

それぞれ役割の定義があるのですが、頭に入りにくい文面なのでそれについては個別の記事で紹介します!

 

 

ちなみに厳密には五臓六腑ではなく六臓六腑です!

残り1つの臓は心包といいますが、中医学の序盤ではほぼ出てきませんので割愛します!

 

五臓六腑の単語が有名なように、基本的には五臓で考えておけば問題ないです!

 

①自律神経機能を調節し、筋肉の運動などの調節を行います!

②血を貯蔵する機能と血流量を調節(血管拡張・収縮)します!(肝臓のイメージ通り?)

 

①心臓の拍出機能を調節して血流量を調節します!(心臓のイメージ通り)

②精神活動(精神、意識、考えること)という心(こころ)の役割があります!

 

肝との違い

肝は自律神経の調節をすることで血管の収縮・弛緩を行う!

心は心拍作用による血流量の調節を行う!

 

消化機能全般の機能のことを言い、具体的な物体の名称ではありません!

 

くくたる@薬剤師
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強いて言えば、胃腸や膵臓などを併せた考え方だと思っていただけるといいと思います!

 

呼吸に関連した機能で、鼻や皮膚機能にも関係しています!

免疫機能や、腎と連携して水分の代謝にも関係しています!

 

腸内フローラを整えることは免疫バランスを改善するという考え方は、中医学的には肺と大腸は臓腑の関係があるからと繋がります!

 

くくたる@薬剤師
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私は当時、中医学と西洋医学が繋がっていく感じが勉強をしていて楽しかったです!

 

内分泌や泌尿器や生殖器系の機能と関係しています!

肺と連携して水分の貯留や分泌にも関係します! 

六腑の種類とおおまかな役割

ほとんどが西洋医学と同じ意味合いです!

胆と三焦をメインに覚えると良いと思います!

 

西洋医学でいう胆のうとしての役割と、肝っ玉( 肝に宿っている精神、胆力、勇気 )に関係します!

 

くくたる@薬剤師
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とりあえず、胆のうと変わらないんだなと思っていただければこの段階では問題ないと思います!

 

小腸

西洋の小腸と同じ意味合いです!

脾(消化吸収の機能)の一部と考えられております!

 

西洋の胃と同じ意味合いです!

飲食物を消化し吸収しやすい状態にして下側に送り出します!

 

大腸

西洋の大腸と同じ意味合いです!

 

膀胱

西洋の膀胱と同じ意味合いです!

 

三焦

上焦・中焦・下焦に分けられており、全身の水分代謝全般に関与しております!

 

くくたる@薬剤師
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実在する臓器ではなく、水分代謝の機能を意味していると考えていただくといいと思います!

まとめ

個人的にわかりにくいと思うところをまとめます!

 

肝:肝臓としての役割だけでなく、自律神経系の調節機能もある!

心:心臓としての役割だけでなく、心(こころ)としての考え方もある!

脾:具体的な臓器ではなく、消化吸収機能全般の役割がある架空の臓器!

肺:肺としての呼吸だけでなく、鼻や皮膚、免疫にも関係している!

 

胆:胆のうとしての役割だけでなく、肝っ玉(精神面)の意味合いもある!

三焦:全身の水分代謝の役割がある架空の腑

最後に

今回は五臓六腑全般をイメージしていただくための記事でした!

なので、今回は臓腑の数と順番を覚えていただけるといいと思います!

 

肝心脾肺腎のそれぞれの関係性と矢印の向きが後々重要になってきますので、最初は大変ですが頑張って覚えていきましょう!

 

 

くくたる@薬剤師
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