【第13回】腎の機能・機能異常【漢方・中医学が苦手な方向けの勉強法】

くくたる@薬剤師
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こんにちは!

くくたる(twitterはコチラ)です!

【薬剤師歴11年目】
●フリーランス薬剤師
●管理薬剤師歴:調剤3年、OTC1年目
●1人薬剤師歴(調剤):2年

【漢方薬・ハーブの資格】
国際中医師
●ハーバルセラピスト
●シニアハーバルセラピスト
※国際中医師は医師免許ではありません。

 

今回は五臓六腑のうちの腎について紹介していきたいと思います!

 

腎は腎臓のイメージ(膀胱からの水分代謝、ホルモン分泌)のイメージと、成長・発育・更年期障害・老化などの成長過程のイメージで考えていただくと理解しやすくなると思います!

 

腎がわかるようになると、ホルモンバランスの乱れによる更年期障害や不妊、高齢者の足腰の痛みや耳鳴り、成長や発育など、漢方が得意とする分野の理解が深まるようになります!

腎の定義

まずはイメージがあった方がいいと思うのでイラストです!

腎は膀胱、骨、髪毛、耳と関係が深く、腎の状態が反映されます!

 

腎については「精を貯蔵する」「成長・発育・老化に関わる」「水分代謝に関与」五臓の概要記事でも少し紹介しました!

 

腎精はさらに腎陽(腎の気)腎陰(腎の陰液︰血、津液、精)と分けて考えますが、ひとまずは腎の気と腎の陰液であることがわかれば問題ないです!

※厳密には気の中で、温める作用をメインとする気を陽気と呼びます。

 

腎は水液を主る(つかさどる)

腎は水分の代謝に関与します!

必要なものは再吸収して肺に、不要なものは膀胱を通して尿となり体外へ排泄をします!

 

くくたる@薬剤師
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ここは腎臓のイメージ通りだと思います!

 

下記にある騰蒸の水分代謝の図でイメージを紹介します!

 

腎は精を蔵し、成長・発育・生殖を主る

精を貯蔵することですね!

先天の精(生まれもった、両親から授かった精)と後天の精(飲食物から得られる精)を合わせて腎精と呼び、貯蔵されます。

 

くくたる@薬剤師
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腎精は生まれもったものなので、30代以降(成熟しきった後)は徐々に消耗していき、これが老化と繋がると考えられています!

 

その他

●腎は骨を主り、髄を生じ、脳に通じる:腎は骨や脳の機能に関与しています!

腎精が充実していれば骨や骨髄、脳の機能が健康ですが、腎精が衰えてくると骨がもろくなったり、認知機能が衰えてきます!

 

●腎は二陰に開竅(かいきょう)し、その華は髪にある:聴覚の機能と二陰(前陰:排尿・生殖と後陰:大便の排泄)に関与しています!

こちらも腎精が衰えると耳鳴りや難聴、排尿障害、排便障害、白髪に繋がります!

 

要約すると

①腎は成長・発育・生殖・老化に関与する臓である!

②腎は水分代謝と関係している!(一部は再利用、一部は排泄)

③腎が衰えると、 骨や脳、耳や排尿・排便の能力が衰える!

騰蒸の水分代謝の図

※赤い矢印が腎の騰蒸作用です!

※腎から下への矢印がありませんが、不要な水は尿となり膀胱を経由して排泄されます!

 

くくたる@薬剤師
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次は腎の機能異常について紹介します!

腎陽虚(腎の気虚)

陽気とは、気の中でも温める作用がメインの気です!

陽気が少なくなるので冷えの症状が出ます!

また、気虚=機能低下なので、腎の機能低下も出てきます!

 

どのような症状がでるか?

四肢の冷え、低音の耳鳴り、脱毛、白髪、足腰の脱力感・しびれ、排尿異常、性機能異常などが起こります!

 

低音の耳鳴り足腰の脱力感については、それがある時点で腎機能の衰えがある=腎虚と考えられます!

 

くくたる@薬剤師
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高齢者とお話をしていると思い当たる点が出てくることがありますね!

 

腎陰虚

陰液は、血・津液・精のことでしたね!

陰液は冷やす性質があるため、冷やせない⇒温まるというイメージが大切です!

また、陰液が足りない⇒潤わすことができない⇒乾燥というイメージも大切です!

※陰液の不足による熱は強いものではありません。

 

どのような症状が出るか?

手や足のほてり、のぼせ、口渇、尿が濃い、便が固いなどが起こります!

 

ポイントは手や足のほてりのぼせです!

例えば、更年期障害は女性ホルモンが出なくなる状態ですが、ホルモン=腎陰なので結び付きやすいと思います!

また、水分が足りていないことから口渇、尿が濃い、便が固くなることもイメージしやすいと思います!

 

最後に

五臓六腑については今回の記事で最後です!

次回は【第14回】実証と虚証について紹介します!

前回は【第12回】肺の機能・機能異常について紹介しました!

 

腎を理解できるようになると、更年期や高齢者のお悩みの症状についての中医学での考え方がわかるようになりますが、今回の記事だけでは内容が足りていないと思います!

※あくまでも苦手な方向けの記事のためご了承ください。

 

腎についての記事は、今後は漢方薬の使い分けとして紹介していきたいと思います!

 

 

くくたる@薬剤師
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