【第03回】気滞・気虚と関連する漢方薬【漢方・中医学が苦手な方向けの勉強法】

くくたる@薬剤師
くくたる@薬剤師

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【薬剤師歴11年目】
●フリーランス薬剤師
●管理薬剤師歴:調剤3年、OTC1年目
●1人薬剤師歴(調剤):2年

【漢方薬・ハーブの資格】
国際中医師
●ハーバルセラピスト
●シニアハーバルセラピスト
※国際中医師は医師免許ではありません。

 

前回(気の作用・種類)前々回(気・血・水の考え方)と中医学の専門用語の紹介ばかりだったため、頭が疲れてしまいますよね…!

 

そこで今回は、専門用語は気の異常である気滞(きたい)と気虚(ききょ)だけにして、図解と馴染みのある漢方薬を紹介しようと思います!

 

五臓六腑についてまだ触れていないので、詳しい方が見たら「漢方薬の選び方が軽率だ!」と思われてしまうかもしれません…!

 

気滞(きたい)とは?

気が滞る(とどこおる)ことです!

 

気は本来、推動作用により身体全体に流れて存在しています!

※血液が全身を流れているようなイメージで、エネルギーが全身を流れています!

 

気滞になるとどうなるか?

筋肉の緊張、ストレス(自律神経の緊張)、張り・痛み、食欲過多などが起こります!

 

エネルギーが一部に滞るため、機能過多になるイメージですね!

お腹の張りとか、ストレスからくる肩こりとかも気滞が原因の場合があります!

気虚(ききょ)とは?

気が足りていないことです!

 

気の量が少ないため、本来の機能を発揮できなくなります!

 

気虚になるとどうなるか?

疲れ、食欲不振・消化不良、息切れ、冷えなどが起こります!

 

胃腸の機能が低下(第11回)すると食欲・消化能力が低下しますし、肺の機能が低下(第12回)すると呼吸器の機能が低下して息切れや鼻水関連の症状が出たりします!

気滞・気虚のイメージ図

このようなイメージですね!

雰囲気が伝われば嬉しいのですが…!

 

①正常な気: 気が100あり、正常に巡っています!

②気滞: 気が一部に滞ってしまいます!その影響で他の部位の気は少ない状態です!

③気虚:本来必要な分の気が足りず、気は巡っているが足りていない状態です!

 

ちなみに今回の図の気滞は、頭部に気滞が起こっている状態です!

予測される症状としてはストレスでイライラしてしまったり、頭痛がしたり、肩がこって痛みが出たり、手足や体が冷えたりです!

 

くくたる@薬剤師
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更年期障害のホットフラッシュなどで、頭部は暑いけど手足が冷える方は気滞が発生している可能性が考えられます!

 

気虚で予測される症状は、疲れ、やる気が出ない、食欲が出ない、風邪をひきやすいなどです!

 

くくたる@薬剤師
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暑くもないのに汗が漏れ出てしまう(固摂機能低下)ような場合も、気虚の可能性が考えられます!

気滞・気虚に使う漢方薬の一例を紹介

冒頭でも書きましたが、本来は五臓六腑の状況や他の訴えなども含めて判断します!

 

そのため「気滞=〇〇という漢方薬」「気虚=〇〇という漢方薬」と必ずなるわけではございませんのでご了承ください!

 

気虚に用いられる漢方薬の一例

【補中益気湯(ほちゅうえっきとう)】

 

補中益気湯は「元気にする薬」として有名ですよね!

気が足りてないのでその分の気を補充することを目標にします!

 

気が補充されることで、疲れや風邪のひきやすい体質の改善、冷えの改善などに繋がります!

 

ちなみに十全大補湯との比較されることが多いと思ってるのですが、十全大補湯は「気の補充」だけでなく「血(けつ)の補充」も兼ねている漢方薬です!

 

 

気滞で用いられる漢方薬の一例

【半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)】

 

半夏厚朴湯は喉のつかえ感、異物感をとることで有名ですかね…?

気の滞りを解消して全身に巡らせることを目標にします!

 

喉の違和感は気滞が原因で筋肉が緊張するために起こると考えられています!

他にも、ストレスや不安感を改善したり、ストレスからくる胃腸の不調感にも使われますね!

※気滞が起こる場所により漢方薬が変わります。

 

番外編(気滞の人に補中益気湯を使用すると…?)

ちなみに先ほど紹介した気滞の図ですが、気が滞っていない部分については気が少ない状態でしたね!

そこの気を補充をするために補中益気湯を使うとどうなるかをイメージ図で紹介します!

左が補中益気湯を未使用、右が補中益気湯を使用した場合のイメージです!

 

手足など体の気は程よく補充できると思いますが、頭部の気滞が悪化してしまう可能性が考えられます!

 

「漢方薬は体質に合わせる必要がある」と言われているのはこういう部分ですね!

しっかりと相手の話を聞いて、少しでも体質に合う漢方薬を勧められるようになることが大切ですね!

最後に

次回は【第04回】血(けつ)の作用について紹介します!

前回は【第02回】気の作用・種類について紹介しました!

 

専門用語を自分の表現で相手に伝えられるようになることは、漢方薬に限らずお薬の説明では大切ですね!

 

お客さんや患者さんから「疲れがある」などと相談を受けた時に「ストレス疲れ」や「食欲不振で体力が低下していないか」などを意識して聞いてみるといいと思います!

 

気滞や気虚で発生しうる症状に合わせて聞くことができると「何でそんなに(体の状態が)わかるんですか?」と驚かれてることもありますよ!

 

ちなみに今回の記事は漢方の考え方を紹介していますが日常生活のアドバイスにも繋がるので一石二鳥です!

そういうところが私が中医学・漢方薬の考え方が気に入った理由でもあります!

 

最初の方は覚えることが多くて大変かもしれませんが、少しずつでも慣れてくると話せる内容がぐっと増えますよ!

 

くくたる@薬剤師
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