こんにちは!
くくたる(twitterはコチラ)です!
【薬剤師歴11年目】
●フリーランス薬剤師
●管理薬剤師歴:調剤3年、OTC1年目
●1人薬剤師歴(調剤):2年
【その他資格】
●国際中医師
●ハーバルセラピスト
●シニアハーバルセラピスト
※国際中医師は医師免許ではありません。
医療用医薬品が存在しない薬の情報(半減期など)を探す時って大変ですよね…!
特に市販薬の勉強をしていると、市販薬特有の成分があるため既存の薬と比べてどう違うのか判断しにくい場面が出てきてしまいます…!
今回はそんな市販薬特有の成分であるメクリジン、マレイン酸フェニラミンと、単剤では局方品であるクロルフェニラミン(d-クロルフェニラミンではない)の半減期(t1/2)と最高血中濃度到達時間(Tmax)についての情報と調べ方を紹介します!
※比較としてd-クロルフェニラミンの情報も載せております。
ちなみにメクリジンやフェニラミンは、市販薬で乗り物酔い止めとして販売されています!
メクリジンの情報
メクリジンの情報は米国のDaily Medに収載されており、そこからリンクされているDrugBank Onlineに詳細が載っておりました!
DailyMedについてはJAPICの情報を引用します!
米NIHが運営するサイト。検索結果は、最新の添付文書がHITM形式で製品毎に表示されます。
一般財団法人日本医薬情報センター(JAPIC)
メクリジンの半減期(t1/2)
5~6時間
メクリジンの最高血中濃度到達時間(Tmax)
約3時間
※作用発現は1時間程度と記載があります。
マレイン酸フェニラミンの情報
マレイン酸フェニラミン の情報は米国のDaily Medに収載されており、そこからリンクされているDrugBank Onlineに詳細が載っておりました!
マレイン酸フェニラミンの半減期(t1/2)
経口は16~19時間
※i.v.は8~17時間
マレイン酸フェニラミンの最高血中濃度到達時間(Tmax)
1~2.5時間
クロルフェニラミンの情報
クロルフェニラミンはPMDAで単剤で検索すると半減期などパラメータの記載はありませんが、配合剤であるムコブロチン配合シロップの添付文書にはパラメータ情報の記載があります!
クロルフェニラミンの半減期(t1/2)
15.24±4.62時間
クロルフェニラミンの最高血中濃度到達時間(Tmax)
2.727±1.009時間
クロルフェニラミンとフェニラミンの構造式の違い
赤丸の部分の通り、クロル(Cl)があるかどうかの差ですね!
クロルが導入されることで半減期は短くなると考えられておりますが、クロルフェニラミンとフェニラミンは大きくは変わらなそうですね!
※d-クロルフェニラミンの半減期は短いですが。
d-クロルフェニラミン
d-クロルフェニラミンのパラメータはPMDAで通常通り検索すれば出てきます!
今回はクロルフェニラミンとの比較のため記載しています!
d-クロルフェニラミンの半減期(t1/2)
7.9±2.5時間
d-クロルフェニラミンの最高血中濃度到達時間(Tmax)
2~4時間
※ポララミン錠の添付文書グラフより概算
※ポララミン注の半減期の記載
ポララミン注(d-クロルフェニラミン)のインタビューフォームには次のように記載があります!
静脈内投与後のクロルフェニラミンのα相が15分、β相が28時間である。
私は経口投与の情報を知りたいため、ポララミン錠の情報で考えるようにしています!
今回のまとめ(一覧表)
※d-クロルフェニラミンは経口投与の情報で、静脈注射時ではありません
参考文献
メクリジンについて
DailyMed – MECLIZINE 25- meclizine hydrochloride tablet, chewable
Meclizine: Uses, Interactions, Mechanism of Action | DrugBank Online
マレイン酸フェニラミンについて
DailyMed – ALAHIST D- pheniramine maleate, phenylephrine hcl tablet (nih.gov)
Pheniramine: Uses, Interactions, Mechanism of Action | DrugBank Online
クロルフェニラミンについて
d-クロルフェニラミンについて
ポララミン注インタビューフォーム(PMDA)※PDF直リンク
海外添付文書情報のまとめ
私はDailyMed、Drugs@FDA以外で検索したことはありませんが、様々な国の添付文書統括サイトにリンクされているため非常に便利です!
最後に
というわけで、今回はメクリジン、クロルフェニラミン、マレイン酸フェニラミンについて調べた情報を紹介しました!
PMDAに載っていないだけで諦めてしまうのは勿体ないと思います!
様々な国で公開されている添付文書からヒントが得られるかもしれないですからね!
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