こんにちは!
くくたる(twitterはコチラ)です!
【薬剤師歴11年目】
●フリーランス薬剤師
●管理薬剤師歴:調剤3年、OTC1年目
●1人薬剤師歴(調剤):2年
【ハーブ・アロマの資格】
●ハーバルセラピスト
●シニアハーバルセラピスト
●アロマテラピー検定1、2級
●国際中医師
※国際中医師は医師免許ではありません。
パッションフラワーは睡眠や自律神経の興奮を抑えるリラックスハーブとして知られており、ハーブ含有の医薬品にも含まれている成分です!
※成分名はパッシフローラと記載されています!
ストレス社会と呼ばれる現代において、睡眠前のリラックスタイムにオススメしたいハーブだと私は考えています!
「睡眠薬を飲むほど悩んでいないけど、何か眠りやすくするものはないか?」
このようなお悩みの方にちょうど良さそうですよね!
※不眠薬服用中の方は、主治医の治療優先のためオススメできません!
「そうはいっても本当にいいのか?」
という疑問は私自身もありますので、今回は基礎情報だけでなく、含有成分の構造式なども併せて紹介したいと思います!
PubMedの文献も引用しておりますので参考になれば幸いです!
パッションフラワーの基礎情報
学名︰Passiflora incarnata
科名︰トケイソウ科
使用部位︰地上部の全草
※単一で使うことは少なく、同じようなリラックスハーブ(バレリアンなど)と併用して使うことが多いです!
ちなみに味はやや渋めです!
苦みや酸味、甘味などはほとんど感じませんでした!
冒頭で紹介したハーブ含有医薬品も、パッションフラワー(パッシフローラ)だけではなく複数のハーブが含有されています!
バッションフラワーの主要成分
フラボノイド(アピゲニン)
フラボノイド配糖体(ビテキシン)
アルカロイド(ハルマン、ハルモール):0.01~0.09%
パッションフラワーで私が注目する成分はハルマンとハルモールです!
パッションフラワーに含まれるハルマン、ハルモールの含有量
1回3gで服用する場合で考えてみます!
ハルマン、ハルモールは0.01~0.09%含まれているため、0.3~2.7mg含まれていると考えられます!
※計算式は3000mg×0.0001~0.0009
作用と適応
作用︰中枢性の鎮静・鎮痙
適応︰精神不安、神経症、不眠、高血圧
含有成分の1つであるハルマン、ハルモールは、セロトニン・GABA調節作用やベンゾジアゼピン系類似のGABA受容体を介する作用が考えられております!
下記に参考にした文献を載せておきます!
Indole Alkaloids from Plants as Potential Leads for Antidepressant Drugs: A Mini Review
安全性・相互作用について
安全性:クラス1(適切に使用すれば安全)。
相互作用:クラスA(相互作用が予測されない・起こると考えられていない)
適切な使用方法は下記に抽出方法・服用方法を記載しています!
その他の安全性・相互作用の情報
具体的な薬との飲み合わせ・禁忌薬については調べた限り見つかりませんでした!
ただ、鎮静薬を服用中の方については鎮静作用や眠気のリスクが上がる可能性があると考えられているため、治療中の方にはオススメはできません!
また、国立補完代替医療センター(NCCIH)では「子宮収縮を引き起こす可能性があるため妊娠中は使用しないでください。」と記載されております!
授乳についても「十分な情報はない」と記載されておりますので妊娠・授乳中の方にもオススメはできません!
ハルマンとハルモールの構造式
このような構造式ですね! どこかで見たことあるかな…? 三環系に似ている? というのが最初の印象でした!
ハルマン、ハルモールと似た構造式を持つ医薬品
最初に見比べた時はフェノチアジン系の骨格に似ていると私は考えておりました!
「トリアゾラムは?」となると思うのですが、実はハーブの講師からハルシオン(トリアゾラム)の名前の由来だと教えていただきました!
当時はそれを聞いて感動したものですが、インタビューフォームを見る限りはそういった由来はなさそうでした…!
トリアゾラム(ベンゾジアゼピン系)の構造比較は下記で紹介します!
ハルマン、ハルモールとセロトニン、ベンゾジアゼピンの構造比較
ハルマン、ハルモールは、セロトニン・GABA調節作用やベンゾジアゼピン系類似のGABA受容体を介する作用が考えられておりますので、それぞれの構造の類似性について紹介します!
ベンゼン環に窒素を含む環構造が共通しています!
また、ハルマン、ハルモールとセロトニンの2つで比べた場合はさらに共通していると考えられるかもしれません!
Indole Alkaloids from Plants as Potential Leads for Antidepressant Drugs: A Mini Review
抽出について
2~3gを熱湯150mLで10分程度で抽出することを目安にして下さい!
1日3回と寝る前、合計4回飲んでも大丈夫と考えられています!
※ハルマン、ハルモールは0.01~0.09%含まれているため、0.3~2.7mg含まれていると考えられます!
寝る前に飲む場合は30分前あたりで、優雅なハーブティータイムを過ごせるといいと思います!
PubMedの文献引用
抗不安作用について記載されている文献を見つけました!
直訳:抜歯を受けている患者の不安を制御するためのパッシフローラとミダゾラムの効果
ランダム化比較試験で40人(27人が女性)を対象としています!
参加者の52%がミダゾラムでの手術を好み、27.5%がパッシフローラでの手術を好み、20%がプロトコルに違いがないと感じました。
この文献では、パッションフラワーは術前に経口投与すると抗不安作用があると結論づけられています!
参考文献
インターネット
Indole Alkaloids from Plants as Potential Leads for Antidepressant Drugs: A Mini Review
書籍
●ハーバルセラピストの教科書
最後に
というわけで、パッションフラワーの睡眠・不安改善の効果などについてまとめました!
冒頭にも書きましたが、睡眠薬を飲むほどではないが悩んでいる方は一定数いると思います!
そういう方については、ちょっとおしゃれな感じでハーブティーを服用してみてはいかがでしょうか?
安全性や薬物との相互作用はなしになっていますが、抗不安薬や睡眠薬を飲んでいる方の使用に関しては、医師や薬剤師に相談した上で検討をするようにしてください!
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