イブニングプリムローズ(月見草)がアトピーやPMSを緩和?【メディカルハーブ・薬剤師監修】

くくたる@薬剤師
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【薬剤師歴11年目】
●フリーランス薬剤師
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●1人薬剤師歴(調剤):2年

【ハーブ・アロマの資格】
●ハーバルセラピスト
●シニアハーバルセラピスト
●アロマテラピー検定1、2級
●国際中医師
※国際中医師は医師免許ではありません。

 

γ-リノレン酸(GLA)と聞いて、n-6(ω6)系の不飽和脂肪酸だと思い出せるでしょうか?

ちなみに私は思い出せなくて、メディカルハーブの勉強を通じて再学習しました…!

 
n-6(ω6)系と聞くと、私の偏見ですが「なんとなく良いイメージはないのではないか?」と思ってしまっておりました!

(n-3(ω3)系の不飽和脂肪酸が良いイメージがあるためかもしれません)

 

今回紹介するイブニングプリムローズはγ-リノレン酸(GLA)を主体とするメディカルハーブです!

 

ちなみに私はシニアハーバルセラピストの卒業に必要な論文で、イブニングプリムローズとγ-リノレン酸(GLA)を題材にしました!

 

イブニングプリムローズの基礎情報

学名︰Oenothera biennis

科名︰アカバナ科

和名︰月見草、メマツヨイグサ

使用部位︰種子

イブニングプリムローズの主要成分

油脂︰リノール酸(約75%)、γ-リノレン酸(約9%)

タンニン︰カテキン、エラグ酸

プロアントシアニジン類

イブニングプリムローズの作用と適応

作用︰γ-リノレン酸(GLA)の補給によるエイコサノイドの調整

適応︰生理痛、PMS、湿疹、リウマチなどのアレルギー疾患

 

くくたる@薬剤師
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作用ではっきりとγ-リノレン酸の補給と記載があるため、その作用がわかれば解決しそうですね!

 

γ-リノレン酸(GLA)について

γ-リノレン酸(GLA)は、n-6(ω6)系の不飽和脂肪酸です!

 

 リノール酸をγ-リノレン酸に変換する酵素は、遺伝素因やアルコール摂取、栄養欠乏、高齢化により低下することが知られており、律速酵素ともなっております。

 つまり、リノール酸は必須脂肪酸の1つであるが、γ-リノレン酸への代謝が足りなくなる場合があると考えられます。

 γ-リノレン酸からはアラキドン酸を経由して種々のプロスタグランジン(上の図ではPGと記載)やロイコトリエン、トロンボキサンへ代謝されるルートと、

アラキドン酸を経由せずにプロスタグランジンE1を産生するルートがあります!

 プロスタグランジンE1は、白血球の遊走や活性化の抑制、血管を拡張、子宮収縮などがあるため、これがアトピー性皮膚炎やPMS、生理痛に関わってくると考えられます。

※ちなみに子宮収縮は、プロスタグランジンE2、F2αが強いとされています。

※プロスタグランジンE1製剤としては、リマプロストアルファデクスがあります。

 正直なところ、γ-リノレン酸はプロスタグランジンE1だけでなくアラキドン酸を経由したルートもあり、種々のプロスタグランジンやロイコトリエンなどは発痛や炎症に関与するのではないか? と考えてしまい、ここまでの知識ではアトピー性皮膚炎などに対して良い方向に向かうのかわかりませんでした。

 なので、今度は必須脂肪酸について考えていきたいと思います。

 

必須脂肪酸について

 必須脂肪酸は、動物の正常な発育や機能の維持に不可欠な成分で、体内では合成ができないため食事により摂取する必要がある脂肪酸のことです。

 全部で3種類あります!

①リノール酸(n-6系)

②アラキドン酸(n-6系)

③α-リノレン酸(n-3系)

 アラキドン酸はリノール酸から体内で合成できるじゃないかと思いましたが、そのように定義されております。

 アラキドン酸だけでなくリノレン酸も必須脂肪酸なのは、γ-リノレン酸からプロスタグランジンE1が作られるためかなとこの記事を書いていて思いました。

 

必須脂肪酸が不足すると?

 発育不全や皮膚炎、脱毛などの症状が出てしまいます。

 動物実験で、脂肪欠乏食を与えてたところ上記の症状がみられ、これらの欠乏症状はリノール酸を投与することで改善されたと、私が参考にしている本に明記されております。また、アラキドン酸の改善効果はリノール酸よりも強いとも記載されております。

 また、PMSを発症する方の中にはγ-リノレン酸が通常の人と比べて低いという報告もあります。

イブニングプリムローズの安全性・相互作用について

安全性:クラス1(適切に使用すれば安全)。

相互作用:クラスA(相互作用が予測されない・起こると考えられていない)

※種子の油分のため、空腹時などは気持ち悪くなるかもしれません。

イブニングプリムローズの服用方法について

 種子のためハーブティーはなく、カプセル剤で用いられることが多いです。

 参考にしている本の1つであるメディカルハーブの辞典では、1日量として

生理痛・PMSでは3000mg(GLAとして270mg)

湿疹、リウマチなどのアレルギー疾患では4000〜8000mg(GLAとして360〜720mg)

を3回に分けて毎食後に服用と記載があります。

 しかし、カプセル剤の場合だとサプリメントの商品が多いと思うので、各サプリメントに記載された服用方法で服用していただく方が良いです。万が一の際にメーカーに言えるためですね。

イブニングプリムローズのまとめ

①イブニングプリムローズには、必須脂肪酸(リノール酸とアラキドン酸)の中間物質であるγ-リノレン酸が含まれた珍しいメディカルハーブである。

②脂肪欠乏食を与えた動物実験では、リノレン酸やアラキドン酸を投与することで皮膚炎や発育不全などが改善した結果がある。

 

他にもいくつかあるのですが、参考文献とした論文のPDFのリンクを添付するので、興味がある方は見ていただけると助かります!

考察

 女性の方は過度なダイエット、アトピー性皮膚炎の方は食事のバランスなどが乱れている場合があるため、必須脂肪酸が不足している可能性がある方には食事療法の一環としてイブニングプリムローズ(月見草)を摂取していただくと良いのではないかと考えます。

参考文献

書籍

 

インターネット

高度不飽和脂肪酸とオレイン酸の健康栄養機能

γ-リノレン酸の生理的効果と糸状菌による生産

最後に

というわけで、今回はイブニングプリムローズによるアトピー性皮膚炎やPMSの緩和について考察しました!

 

冒頭でも記載しましたが、私のシニアハーバルセラピストの卒業論文がイブニングプリムローズでしたのであわせて紹介します!

 

 

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