マクロライド系の少量長期服用の期間と投与量、免疫調節作用・抗炎症作用のメカニズム【抗生物質】

くくたる@薬剤師
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【薬剤師歴11年目】
●フリーランス薬剤師
●管理薬剤師歴:調剤3年、OTC1年目
●1人薬剤師歴(調剤):2年

【その他資格】
国際中医師
●ハーバルセラピスト
●シニアハーバルセラピスト
※国際中医師は医師免許ではありません。

 

「マクロライド系抗生物質の少量長期投与」はご存じですか?

 

耳鼻科や呼吸器科の処方を扱っていれば目にすることも多いと思いますが、知らないで処方を見た場合は「疑義紹介した方が良いのか?」と思ってしまいますよね!

 

薬剤師1~2年目の頃の私は、

●少量ってどの位の量なの?

●長期ってどの位の期間なの?

●なんで抗炎症作用があるの?

このような疑問がありました…!

 

くくたる@薬剤師
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新人の頃は調べ方が悪かったのか、ネットで検索しても具体的な情報が見つけられなかったんですよね!

 

というわけで、今回は薬剤師1~2年目の方に向けてまとめていきたいと思います!

 

マクロライド系抗生物質の少量長期投与の期間

3~6ヶ月

 

少量とはどの程度?

通常量の1/2量

 

マクロライド系抗生物質の少量長期投与の目的

少量長期投与は免疫調節作用・抗炎症作用を期待して使用されます!

 

他、上皮細胞のムチンや水分の過剰分泌抑制作用や、緑膿菌などの一部の菌に対するバイオフィルム形成抑制作用なども報告されております!

 

慢性副鼻腔炎(好酸球性副鼻腔炎ではない)や、びまん性凡細気管支炎気管支拡張症の治療で使用されることがあります!

 

免疫調節作用・抗炎症作用の機序 

炎症性サイトカインの産生抑制や、好中球の遊走を抑制することで抗炎症効果を発揮すると考えられています!

※炎症性サイトカイン:IL-1、IL-6、IL-8など

 

また、クラリスロマイシンをマウスに投与することでCD11b陽性Gr-1陽性細胞が誘導されることが分かっております!

 

CD11b陽性Gr-1陽性細胞の誘導→IL-10が上昇、IFN-γが低下

※IL-10:T細胞の活性調節、マクロファージの活性化抑制

※IFN-γ:マクロファージ、NK細胞の活性化など

 

参考文献

最後に参考にした情報を紹介します!

 

インターネット

抗菌薬の隠された作用のメカニズムの解明~薬剤耐性対策につながる成果~ 南宮湖、石井誠(呼吸器内科)|KOMPAS

日本化学療法学会雑誌第52巻第7号※PDF直リンク

Antimicrobial and anti-inflammatory effects of clarithromycin on Mycobacterium avium complex replication in cultured human bronchial epithelial cells(PMID:22370922)

The anti-inflammatory effects of erythromycin, clarithromycin, azithromycin and roxithromycin on histamine-induced otitis media with effusion in guinea pigs(PMID: 29888693)

 

書籍

 

 

終わりに

というわけで、今回はマクロライド系抗生物質の少量長期投与についてまとめました!

 

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くくたる@薬剤師
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