【水虫薬】テルビナフィン、ブテナフィン、ルリコナゾール、ミコナゾールの比較【市販品・医療用】

くくたる@薬剤師
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【薬剤師歴11年目】
●フリーランス薬剤師
●管理薬剤師歴:調剤3年、OTC1年目
●1人薬剤師歴(調剤):2年

【その他資格】
国際中医師
●ハーバルセラピスト
●シニアハーバルセラピスト
※国際中医師は医師免許ではありません。

 

あなたは水虫になったことはありますか?

足の指の間や、足の裏、ジュクジュク感やカサカサ感、痒み、水疱を生じたりと、日常生活で地味にイライラしてしまいますよね…!

また、梅雨や夏は湿気などで足が蒸れて水虫になりやすくなる時期ですね…!

 

そこで今回は、医療用医薬品や市販薬で水虫薬の効果の比較をしていきたいと思います! また、日常生活で気をつける点についても紹介したいと思います!

 

ちなみに爪の水虫の治療は病院が最優先ですが、市販薬でも使用できる製品があります!

下記の記事で紹介しておりますので合わせて参考にしてみてください!

>>爪水虫に使える市販薬エフゲンの使用方法と他の抗真菌薬の成分比較【ウンデシレン酸】

 

そもそも水虫とは?

水虫は白癬菌が原因となる感染性疾患です!

 

その中でも、日本皮膚科学会HPにある皮膚科Q&Aによると、日本で頻度の高い白癬菌の種類はトリコフィトン・ルブルム(Trichophyton rubrum)とトリコフィトン・メンタグロフィテス(Trichophyton mentagrophytes)の割合が高いと考えられています!

 

水虫の症状

皮膚のジュクジュク、カサカサ、皮がむける、痒みなどが生じます!

※ほとんどの水虫は痒みは伴いません。

 

趾間型(しかんがた)小水疱型角化型に分けられます!

水虫で使用される医薬品をインタビューフォームで比較

水虫で使用される医薬品は多数ありますので、今回はインタビューフォームの情報を参考に比較します!

 

ラミシール1%(テルビナフィン)

足部白癬の有効率は74.3%。

菌種MIC(μg/mL)
Trichophyton mentagrophytes0.001-0.01
Trichophyton rubrum0.001-0.01

※Trichophyton mentagrophytes発芽分生子に対して明らかな殺真菌作用を示す。

※用法は1日1回

 

メンタックス1%(ブテナフィン)

足部白癬の有効率は81.8%。

菌種MIC(μg/mL)
Trichophyton mentagrophytes0.012
Trichophyton rubrum0.007

※殺真菌的に作用した。

※用法は1日1回

 

ルリコン1%(ルリコナゾール)

疾患名真菌消失率皮膚症状改善率
足白癬74.6%91.2%
菌種MIC(μg/mL)
Trichophyton mentagrophytes0.001
Trichophyton rubrum0.001

※トリコフィトン属に対して強い殺真菌活性を示した。

※用法は1日1回

 

フロリードD1%(ミコナゾール)

疾患名真菌消失率臨床改善率総合効果
足部白癬75%92%82%
菌種MIC(μg/mL)
Trichophyton mentagrophytes0.16-0.63
Trichophyton rubrum0.32

※高濃度では細胞の壊死性変化をもたらし、殺菌的に作用する。

※用法は1日2~3回

 

ガイドラインでは?

日本皮膚科学会皮膚真菌症診療ガイドライン2019では「足白癬に抗真菌薬による外用療法は有効か?」について推奨度「A:行うよう強く勧める」とされております。

>>一般公開ガイドライン|公益社団法人日本皮膚科学会

 

治療期間の目安

角層の厚さで異なりますので、それぞれの目安を紹介します!

 

・指間型:2か月以上

・小水疱型:3か月以上

・角化型:6か月以上

 

薬剤による比較

日本皮膚科学会皮膚真菌症診療ガイドライン2019では下記の記載があるため、比較することは難しそうです!

外用抗真菌薬は足白癬の治療に有用であり,使用を強く勧める.最小発育阻止濃度(MIC)と最小殺菌濃度(MCC)のin vitroのデータはあるものの、薬剤間の臨床効果を比較した臨床試験はわずかであるため、薬剤間の優劣を示すことは現時点では難しい、また外用薬の基剤別比較のエビデンスはなかった。

>>一般公開ガイドライン|公益社団法人日本皮膚科学会

 

ガイドラインで紹介されている薬剤

ニゾラール(ケトコナゾール)

アトラント(ネチコナゾール)

マイコスポール(ビホナゾール)

アスタット(ラノコナゾール)

ルリコン(ルリコナゾール)

ペキロン(アモロルフィン)

ラミシール(テルビナフィン)

メンタックス(ブテナフィン)

ゼフナート(リラナフタート)

※フロリードD(ミコナゾール)は含まれていません

 

ちなみにアスタット、ルリコン、ゼフナート、ラミシールについては治療効果に差はないと「薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100」に記載があります!

 

【薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100】

 

日常生活で気をつけること

日常生活では、自分が気をつけることと家族みんなで気をつけることに分けて紹介します!

 

自分が気をつけること

白癬菌は湿度など、水分を好みます!

なので、靴の中など蒸れにくい環境を作ることが大切です!

 

①靴下は通気性の良いものを選ぶ!(5本指ソックスや綿のタイプなど)

②家に帰った後は足をキレイに洗う!

など、足の環境を改善に取り組みましょう!

 

家族みんなで気をつけること

①お風呂マットやバスタオルは共有しない!

②スリッパも個人個人で分ける!

など、菌が付着する可能性を除くことが大切です!

 

市販薬を比較する場合はテルビナフィン、ブテナフィンを選びます!

処方薬については自分で選ぶことは少ないと思いますので、市販薬にある成分であるテルビナフィン、ブテナフィン、ミコナゾールなどについての私の考えを紹介します!

 

結論は、私はテルビナフィンやブテナフィンを第一選択に選びます!

 

テルビナフィン、ブテナフィンを選ぶ理由

①テルビナフィンやブテナフィンは殺真菌的な作用が期待できる!

※ミコナゾールは高濃度では殺菌と記載があるが、具体的な濃度については触れられていない。

 

②有効率ではミコナゾールが優秀に見えるが、1日2~3回での使用のためコンプライアンス不良が生じる可能性がある!

※テルビナフィン、ブテナフィンは1日1回の使用です。

 

市販薬でジュクジュク・カサカサタイプ別の選び方・注意点!

【選び方のポイント】

①1日1回で殺菌的に作用するテルビナフィン、ブテナフィンを採用しているか!

②かゆみ止めなど他の成分が配合されているか!

※ほとんどの水虫は痒みは伴いません。

 

【注意点】

①出血など、傷を伴っている場合にはまずは傷の治療を行う必要がある!

②糖尿病や免疫抑制薬を使用している方は、単なる水虫と考えずに受診していただく!

③子供は水虫にはかかりにくいため、子供(15歳以下)は受診していただく!

 

【ジュクジュクが気になる方はクリームタイプ】

ラミシール(テルビナフィン)

 

ブテナロック(ブテナフィン)

 

【カサカサが気になる方は液体タイプ】

ラミシール(テルビナフィン)

 

ブテナロック(ブテナフィン)

 

最後に

というわけで、今回は水虫薬の比較を紹介しました!

 

水虫の治療には時間がかかるため、1日1回で続けられるかどうかは大切なポイントだと個人的には考えております!

 

ちなみに爪の水虫の治療は病院が最優先ですが、市販薬でも使用できる製品があります!

下記の記事で紹介しておりますので合わせて参考にしてみてください!

>>爪水虫に使える市販薬エフゲンの使用方法と他の抗真菌薬の成分比較【ウンデシレン酸】

 

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