こんにちは!
くくたる(twitterはコチラ)です!
【薬剤師歴11年目】
●フリーランス薬剤師
●管理薬剤師歴:調剤3年、OTC1年目
●1人薬剤師歴(調剤):2年
【その他資格】
●国際中医師
●ハーバルセラピスト
●シニアハーバルセラピスト
※国際中医師は医師免許ではありません。
保険薬局、保険薬剤師をしている以上避けて通れないのが個別指導ですね!
1人薬剤師であれば薬歴注意するのも1人で済みますが、複数人数薬剤師の店舗であれば薬歴に対する意識の統一をしないとならないので、管理薬剤師や開設者は大変だと思います。
今回は1人薬剤師の店舗で働く私が指導管に薬歴で質問された部分や気をつけるべきところについて、特定されない程度にまとめます。
新人薬剤師の薬歴に対する意識の改善や、これから新規個別指導を受ける方の不安を和らげられると思いますので、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。
新規個別指導は1時間という限られた時間ですが、色々聞かれ・指導されるのでポイントは抑えておいて日々の業務に努めたいですね!
個別指導での薬歴要件での指導事項
一番重要です!
私が聞かれたことと、それに類似して事前に知っていた情報などを記載したいと思います。
ちなみに、よほどひどい薬歴でない限りは新規個別指導であれば返還(薬学管理料の返金)はないと思いますが、1年間新規でやってきた薬局の仕事を評価されるわけなので、しっかり頑張ったことを評価してもらえた方が嬉しいですよね!!
小児の○○点眼液の用法について
「適宜増減はついているが、1日3回が基本の薬剤に対して1日4回となっているので問い合わせた方が良かったのではないか?」
このように聞かれましたが、適宜増減がついているため4回の使用に対して薬学的に問題とは感じませんでしたと素直に答えました。
適宜増減様様ですね!
薬歴を書く時には、SOAPであればAの部分に「適宜増減のため問題ないと判断した」等書いておくと良いのかもしれませんね。
エチゾラムの使用目的について
「朝食後服用はどういう意図か? 朝食後であれば眠気が出る可能性があるがそこのところはどうなのか?」
このようなことも聞かれました。特にエチゾラムのように適応がたくさんある場合は「どういう症状で使っているか」「副作用の状況はどうか」をしっかり薬歴に書いておく必要がありますね!
同種同効薬の重複について
「日数が重複している部分があるが、服用方法はどのようになっているか?」
薬の効き目が弱く感じたので早めに再受診して、途中から薬が切り替わった例ですね。
重複服用しないよう指導した内容などを薬歴に書いておく必要があります!
もしくは、重複服用するようであれば問い合わせをして疑義が解消したことも書いておく必要があります!
受診間隔について
「受診間隔が短いが、残薬が発生しているのではないか?」
上に記載した同種同効薬の重複でもそうでしたが、残薬の状況については聞かれますね。
医療費抑制の観点としても残薬はお金の無駄になるので、突っ込まれることも納得です。
もしもの時のためや次の受診の都合などもあるので、どのくらいの残薬から気にしていくべきかは難しいと思いますが、服薬指導時にある程度は残薬を把握してそれを薬歴に記載しておかないといけないですね…。
調剤の方法と自家製剤加算について
●軟膏であれば〇〇軟膏10gと△△軟膏10gを測り取り容器に詰めた。
●半錠であればどのようにして半分に調剤した。割線で分割した。
などなど、次の人が間違いなく調剤できるよう薬歴に記載する必要があるそうです。
毎回書くのもきついので、共有できるスペースがあればそういうところにでも書くと良いのではないかと思います。
私は毎回新しい混合パターンが来たらSOAPのOに記載するようにしております。まだまだ業務上余裕はありますが、忙しくなってきたら書ききれるかどうか…。
※自家製剤などの加算は取れるものは取っておいた方がいいとのことでした!
※どの加算を取ればいいかわからない場合には、地方厚生局に確認を取るといいと思います。私の地域では厚生局への確認だったため。
乳幼児加算の要件
体重、手帳コメントなどが薬歴に記載があるかも確認されます!
ハイリスク加算の要件
何の目的で処方されているかについて聞かれました。
私の場合はビソプロロールについて問われました。
血圧の目的で使用されているため、ハイリスク要件ではない旨を伝えました。
他のハイリスク薬剤については、ハイリスク加算要件である副作用の確認や検査値の確認、ハイリスク薬1剤ずつの指導内容を記載していたため特に指摘はされませんでした。
※1つの処方せんにハイリスク薬が3個あれば3個、10個あれば10個分1つの薬歴で指導内容を記載しないといけません。
お金の話ばかりですが、1剤あたり〇点というルールであればどんなに楽だったか…。
10薬剤あったとしたら、毎回10薬剤の副作用とか確認しきれないと思うのですけどね。
他病院からの同効薬のテープ・塗布薬の処方について
「同一部位に使用するテープとゲル、クリームの使い分けや、例えばモーラステープとロキソニンテープの使い分けなどを確認されました。」
私の場合は、本当に必要なのに「70枚制限があること」「主治医のいる病院が遠い」という理由により、基本処方は主治医にもらい足りなくなる分を他院で処方してもらうという状況でしたのでそのように指導官に伝えました。
結果「理由がしっかりとあるのであれば、2病院の受診はお金も多くかかるし70枚以上処方できないかどうか確認した方がいいのではないか?」と指導官よりアドバイスをいただくこととなりました。
たしかにその通りだったと思いました。
PPIの長期使用について
これは有名かもしれませんね!
PPIの長期処方意図の確認です。問い合わせをしているかどうか、保険請求上確認しないと指導されてしまいます!
返還の対象となると、PPIは値段もしますし長期的に出ている方も多いと思うので、かなりキツイと思います…。
薬価が安くなるよう問い合わせをしているか?
「薬局の個別指導では【病院の採用薬】という理由であっても指導される」ことがあります…。
リリカ25mg、75mg、150mgを例にします。
リリカ150mg分必要だとして、25mgであれば6個、75mgであれば2個、150mgであれば1個になるわけですが、薬価が安くなるよう問い合わせしているのか聞かれる場合があります。
問い合わせをしていても「病院の採用薬だからと言われてもそんなものは関係ない。病院に必要性を伝えるべきだ」的なことを言われる場合もあるそうです(これは私が言われたわけではないですが)。
問い合わせをしているかについては薬局で指導されるのは理解できますけど、処方の決定権があるのは病院なので採用薬が理由にならない点は病院に指導してくれよと思いますが…。
その他気をつけること
【薬情(薬剤情報提供文書)について】
適応にあった内容が記載されているかの確認をされました。
①ビソプロロールであれば、血圧以外の適応の説明文は記載されていないか?
②認知症であることを隠して欲しいとご家族の方から言われている場合は、認知症の文言を控えた文章にしているか?
薬情の内容についても確認をされますね!
そもそも変な誤解を患者さんに与えてしまわないよう、薬情の内容にも注意していかないといけませんね!
【お薬手帳について】
薬情と同様に、患者さんに変な誤解を与えないよう注意が必要です!
最後に
というわけで、今回は新規個別指導で私が指導されたことを特定されない程度に記載しました。
新規個別指導は、普通の個別指導と比べると返還とかもあまりなく、指導も易しい感じがあるようですが、実際に指導されるときは何を聞かれるか当日までわからないので独特の緊張感がありましたね!
新人の薬剤師は、上司や先輩からの薬歴の書き方の指導で細かいと感じる方もいるかもしれません。
納得いかない部分とかはあるかもしれませんが、少なくとも今の保険の制度上は従わないとお金がもらえない=お給料分の仕事も出来ていないことになってしまいます。
薬歴の記載は文章を短縮するのではなく、効率よく薬歴を書くための方法を模索していく方が建設的なのではないかなと思います!