シミ・色素沈着の予防でL-システインが良いのはなぜ?理由は?

くくたる@薬剤師
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【薬剤師歴10年目】
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【その他資格】
●ハーバルセラピスト
●シニアハーバルセラピスト

 

今回は市販のシミ・色素沈着の「予防」にL-システイン配合剤が使用される理由を紹介します!

 

肌の状態を良くする薬を選ぶ場合、システイン配合剤やビタミンC配合剤、ビタミンB配合剤など非常に多くの種類があり、どれを選べば良いのか迷ってしまいますよね?

 

一般的には、シミ・色素沈着の予防にはL-システイン配合剤、シミ・色素沈着を薄くするにはビタミンC配合剤、口内炎やニキビなどの皮膚炎にはビタミンB配合剤を選びます!

 

L-システインが予防に使用される理由やメラニンとの関係について紹介しますので、最後まで見ていただけると幸いです!

L-システインの医療用医薬品の添付文書の記載

医薬品で不明な点があった場合、まず確認するのは添付文書とインタビューフォームですね!

L-システインを配合している医薬品であるハイチオール錠の薬効・薬理の情報を引用しています!

 

L-システインの作用機序

L-システインは、生体内代謝系において、SH供与体としての役割を果たし、SH酵素のactivator(賦活剤)として作用する。

ハイチオール錠40/ハイチオール錠80/ハイチオール散32%

※インタビューフォームにも同様の記載のみ。

 

L-システインの皮膚科関連

皮膚代謝の正常化、抗アレルギー、解毒などの作用により各種皮膚疾患に応用される。動物実験において、実験的皮膚び爛の治癒時間短縮(モルモット)5) 、浮腫抑制・透過性抑制・キニン様物質の遊離活性の抑制(モルモット)6) 、各種化学薬品・重金属・農薬に対する解毒効果(マウス・ラット)7) などが報告されている。

ハイチオール錠40/ハイチオール錠80/ハイチオール散32%

※インタビューフォームにも同様の記載のみ。

 

個人的にはL-システインは「皮膚の代謝調節」と「解毒」のイメージがあり、その認識は間違いなさそうです!

また、透過性の抑制やキニン様物質の遊離活性の抑制は発赤などの炎症に対して効果が期待できそうです!

 

しかし、作用機序に記載のある内容だけではシミ・色素沈着の予防との関係性がイメージしにくいと私は思いました…!

 

くくたる@薬剤師
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強いて言えば、皮膚代謝の正常化により色素沈着を起こした皮膚の入れ替わりを促進させたり、炎症を予防することで色素沈着を抑えるイメージ…?

 

添付文書・インタビューフォームだけでは情報が足りないと感じたため、次はシミ・色素沈着に使用される市販薬の公式ホームページの内容を紹介します!

L-システインの市販薬の効能・効果

今回参考にしたL-システインが配合されている市販薬は、ハイチオールとトランシーノホワイトCクリアです!

それぞれの公式ホームページの記載によると、L-システインのシミ・色素沈着に対する作用は下記の3点でした!

※R4.7.10時点の情報

 

①L-システインは皮膚のターンオーバーの正常化を行う

②L-システインはメラニン生成の制御を行う

③L-システインはメラニンの体外への排泄を促す

 

①~③それぞれ、公式ホームページに記載のある内容を引用します!

 

L-システインは皮膚のターンオーバーの正常化を行う

L-システインは、肌の代謝(ターンオーバー)のサイクルを正常化するはたらきをもっています。これによりシミ・肌荒れなどの肌トラブルを改善し、きれいな肌へと導きます。

肌の代謝とL-システイン | ハイチオール【エスエス製薬】

 

L-システインはメラニン生成の制御を行う

L-システインは、このチロシナーゼの産生や、産生されたチロシナーゼがチロシンを活性するのをブロックします。

しみに効くしくみ|トランシーノホワイトCクリア|第一三共ヘルスケア

 

L-システインはメラニンの体外への排出を促す

L-システインはタンパク質を構成するアミノ酸の一つで、特に肝臓の解毒作用や皮膚の代謝に関係しています。皮膚の色素沈着をもたらすメラニン色素の生成を抑えるだけでなく、体外への排出をうながす作用があり、しみ、そばかす、日焼け、かぶれなどの対策としてビタミンC、ビタミンB類などとともに用いられます。

L-システイン|薬の成分ディクショナリー|エスエス製薬

 

どうやらL-システインは皮膚代謝の正常化以外に、メラニンの生成・排出に関係していそうです!

メラニンの生成が抑えられるなら、シミ・色素沈着の「予防」に使われるという理由にも納得できますね!

 

しかし、まだ情報が足りないと感じたため、メラニンの生成とL-システインの関係について参考書やPubMedで情報を集めてみました!

メラニンの生成とL-システインの関係

まずはメラニン生成の過程とメラニンの種類について図で紹介します!

 

この図のように、メラニンの生成にはチロシンとチロシナーゼ(律速酵素)が関与しています!

 

また、メラニンはユーメラニン(黒色メラニン・真正メラニン)とフェオメラニン(黄色メラニン)の2種類があります!

 

L-システインはドーパキノンからフェオメラニンの生成に関与しており、L-システインが少ない場合はユーメラニンの割合が多くなります!

※ユーメラニンとフェオメラニンの割合によって肌や髪などの色が変わります。

 

ちなみに文献(PMID:10644002)では、システインはメラノソームの膜を超えて輸送されることと、フェオメラニンの前駆体であるシステイニルドーパ(5-S-CD)の生産が増加すると記載があります!

※メラノソームはメラノサイト内にある脂質二重膜の小胞でメラニンの合成が行われる場所です。

※メラノサイトでは、産生されたメラニンを周囲の角化細胞に提供します。

 

ユーメラニンとは?

ユーメラニンは黒色メラニンとも呼ばれ、シミや色素沈着の原因になると考えられています!

ドーパキノンは反応性が高く、ドーパクロムを経てユーメラニンの生成に関与します!

 

フェオメラニンとは?

フェオメラニンは黄色メラニンとも呼ばれ、シミや色素沈着の原因にはならないと考えられています!

ドーパキノンは反応性が高く、システインが存在する場合はシステイニルドーパ(5-S-CD)を経てフェオメラニンの生成に関与します!

L-システインとメラニンの関係のまとめ

①メラノサイトはメラニンを産生し、メラニンを周囲の角化細胞に提供する!

②L-システインは皮膚のターンオーバーの正常化を行うことで角化細胞が蓄積しないよう働き、メラニンの排泄に関与する!

③メラニンはユーメラニン(黒色メラニン)とフェオメラニン(黄色メラニン)の2種類があり、システイン存在下ではフェオメラニンが生成されるため色素が濃くなりにくくなる!

※肌の色はユーメラニンとフェオメラニンの割合で決まる。

参考文献

病気がみえる vol.14 皮膚科

 

From tyrosine to melanin: Signaling pathways and factors regulating melanogenesis(PMID:27356601)

Density Functional Theory-Based Calculation Shed New Light on the Bizarre Addition of Cysteine Thiol to Dopaquinone(PMID:33573055)

Co-regulation of melanin precursors and tyrosinase in human pigment cells: roles of cysteine and glutathione(PMID:10644002)

最後に

というわけで、今回はシミ・色素沈着の予防にL-システインが良いと考えられている理由について紹介しました!

 

システインやビタミンなど、様々な作用が考えられている成分は「なぜそのように考えられているのか?」「本当にそんな作用があるのか?」と私は疑ってしまいます…!

 

疑うだけではすっきりしないため、今後も疑問に思ったことを少しずつ解消していこうと思います!

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