マクロゴール4000と6000をお湯に溶かしていい?モビコール、タケプロンOD錠の例

くくたる@薬剤師
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【その他資格】
国際中医師
●ハーバルセラピスト
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※国際中医師は医師免許ではありません。

 モビコール(マクロゴール4000含有製剤)、お湯で溶かすことが推奨されていない医薬品ですが、その理由についてはご存じでしょうか?

 先日、その理由についてTwitterで呟いたところ、新たな疑問を得ることができ無事に解決できたので今回はそれについて紹介します!

 モビコールを水で服用できなかった場合に、温かいミルクココアやコーンスープなどにも溶かせるように書いてありますが、ものすごく小さく30~40度程度と記載がありますので、服薬指導時には注意していきたいですね!

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モビコールをお湯での溶解が推奨されない理由

 モビコールはマクロゴール4000が主成分となった製剤ですね!

メーカーサイトでの紹介を引用

お湯で溶解した場合、主成分のマクロゴール4000の特異な匂いがする可能性があること

http://www.mochida.co.jp/dis/qa/mvc-h.html

成分の一つである炭酸水素ナトリウムが、65℃以上の溶液中で速やかに分解するため

参考:「低温の水を加えたときは分解せずに溶解するが、水溶液を長く放置するか、激しく振り混ぜると二酸化炭素を放出し、65℃以上に加温すると急速に分解して炭酸ナトリウムとなる。」

http://www.mochida.co.jp/dis/qa/mvc-h.html

 以上の2つが理由です。

ちなみにメーカーに電話で確認をした所、マクロゴールは40度以上のお湯に溶かすとプラスチック臭のような臭いがするそうです。

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マクロゴール4000はお湯に溶かしていい?

Twitterであがった疑問

モビコールに含まれるマクロゴール4000の凝固点が53~57度。

例えば60度程度のお湯に溶かした場合、冷えた後は凝固して塊になったりしないだろうか?

 この疑問に対して、私はタケプロンOD錠の件が気になってしまい答えがわからずにいました…。

まずはメーカーへの電話回答を載せます!

メーカー回答

凝固点はあくまでも固体が液体に溶け出すときの話なので、お湯に混ぜて冷めた後に塊は出来ない

との回答をいただけました。

 正式に回答をいただけたので、ひとまずモビコールの件はスッキリしました!

 

たしかに凝固点はそういう意味だよなーと思いつつも、ずっと引っかかっていることがあります。

それが、タケプロンOD錠の簡易懸濁法の手技についてなので、次はコチラを紹介します。

※タケプロンOD錠は添加物にマクロゴール6000が含まれている。

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タケプロンOD錠(添加物:マクロゴール6000)はお湯に溶かしていい?

タケプロンOD錠は添加物としてマクロゴール6000を含有し、マクロゴール6000の凝固点は56~61℃で、溶解時の温度が高すぎるとオレンジ色の腸溶性細粒が再凝固して、チューブに注入できないので注意する。また、水に崩壊させた時の耐酸性と溶出性は、懸濁後15分では問題ないが、60分後では耐酸性が規格を外れた報告がある。

https://www.fpa.or.jp/johocenter/yakuji-main/_1635.html?mode=0&classId=15&blockId=39279&dbMode=article&searchTitle=&searchClassId=-1&searchAbstract=&searchSelectKeyword=&searchKeyword=&searchMainText=

 有名な話かもしれませんが、簡易懸濁法でタケプロン(ランソプラゾール)OD錠に含まれるマクロゴール6000は、55度程度のお湯で溶解させた場合に再凝固する可能性があるわけですね!

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マクロゴール4000と6000のまとめ

マクロゴール4000

凝固点:53~57度

性状:白色粉末状

60度程度のお湯に溶かして冷ましても塊は出来ないとメーカー回答あり。

※マクロゴールの特異臭のため、40度以下のお湯で混ぜるよう注意あり。

マクロゴール6000

凝固点:56~61度

性状:白色粉末状またはフレーク状

簡易懸濁法として、55度前後のお湯に溶かして冷めた後に再凝固する可能性があり、チューブが詰まる可能性がある。

※タケプロンOD錠についてはお湯が体温程度まで冷めた状態で簡易懸濁法を行う。

最後に

 というわけで、今回はマクロゴール4000と6000をお湯に溶かしてもいいか?についてまとめました。

 仮にモビコールを溶かして塊が出来てしまった場合も、経口摂取であれば薬効が落ちてしまう(浸透圧が高くならない)可能性はありますがチューブが詰まるような深刻な影響はないのではないかなと個人的には考えております。

基本的にはメーカー推奨の水もしくは30~40度程度のお湯で溶かすのが無難だと思いますけどね。

くくたる@薬剤師
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