市販薬と病院薬のガスター(ファモチジン)は同じ成分?違いは?

くくたる@薬剤師
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【薬剤師歴11年目】
●フリーランス薬剤師
●管理薬剤師歴:調剤3年、OTC1年目
●1人薬剤師歴(調剤):2年

【その他資格】
国際中医師
●ハーバルセラピスト
●シニアハーバルセラピスト
※国際中医師は医師免許ではありません。

 

今回は店頭でそこそこの頻度で聞かれる「市販薬のガスター10と病院で処方されるガスターは同じものか?」について記事にしたいと思います!

 

医療従事者(特に市販薬を扱う薬局)の方からするとあるあるな話かもしれませんね!

結論から書くと、製剤的には同じと考えられますが、適応や服用期間の違いがあります! これらの違いについて紹介する記事となります。

ガスター10と病院のガスターは同じ?

 

冒頭にも記載しましたが、成分や分量、効き目については全く同じです!

※ファモチジン10mg含まれております。

※病院薬ではファモチジン20mgの製剤もあります。

ガスター(ファモチジン)の添付文書(説明書)の効能・効果

ガスター10の効能・効果

胃痛、もたれ、胸やけ、むかつき

 

病院用のガスターの効能・効果

胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、上部消化管出血(消化性潰瘍、急性ストレス潰瘍、出血性胃炎による)、逆流性食道炎、Zollinger-Ellison症候群

下記疾患の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善
急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期

 

ぱっと見た感じ、市販薬のガスターと比べると病院用のガスターは使用できる状況が多いですね!!

「薬の成分、含有量は同じ」と冒頭に記載しましたが、何故ここまで違いがあるのか? について下記の使用上の注意と服用期間の違いにまとめていきます。

使用上の注意と服用期間の違い

すべて大切なことが書かれているのですが、赤線で引いた部分は特に大切ではないかと個人的に感じているところです。

本当に大切なので、口酸っぱく書きます!

 

服用期間の注意

①3日間服用しても症状の改善がみられない場合は、服用を止めて、この文書を持って医師又は薬剤師に相談して下さい。

 

②2週間を超えて続けて服用しないで下さい。

(重篤な消化器疾患を見過ごすおそれがありますので、医師の診察を受けて下さい)

 

こちらの2つの文書は、市販薬のガスター10の添付文書の冒頭に目立つように書かれております! その位重要です!!

 

まず①についてです!

ガスター(ファモチジン)は市販の胃薬の中では胃酸の分泌を抑えて胃の痛み・むねやけを抑える効果が高いです!!

効果が高い薬を飲んだのに3日間服用しても症状が改善しない(=効き目がない)んですよ?

どういう場合が考えられるでしょうか…?

 

続いて②についてです!

①でも記載しましたが、ガスター(ファモチジン)は効果が高いです!

「飲めば楽だけど、続けてないとすっきりしないんだよね」という方がいらっしゃいますが、胃の痛みやむねやけで14日以上続く状況って長いですよ!!

子供の頃でも大人になってからでもいいですけど、ちょっと擦りむいてケガをしたとき、14日以上治らない状況ってありましたか?

胃も同様とまではいいませんが、14日以上続く状況はちょっと胃や食道の粘膜が傷ついた位の状況ではない可能性も出てきますよね?

 

①②どちらにしても、市販のガスターの適応は「胃痛、もたれ、胸やけ、むかつき」です!

時折「逆流性食道炎でずっと続いてて病院行くのも大変だから…」という方がいらっしゃることがありますが、逆流性食道炎は難治性の場合もあり、薬剤師は胃や食道の状態については判断が出来ません!

市販薬ではお話を聞いて現状の状況を改善するサポートのみです! 病院行くのが面倒・大変だからという理由で市販薬を使用しないようお願いいたします!

 

使用上の注意

①使用可能な年齢は15歳以上、80歳未満! ※65歳以上から注意あり。

 

②血液の病気、腎臓・肝臓の病気、心臓の病気、胃・十二指腸の病気、ぜんそく・リウマチ等の免疫系の病気、ステロイド剤、抗がん剤、アゾール系抗真菌剤

 

③赤血球数が少ない(貧血)、血小板数が少ない、白血球数が少ない等の血液以上を指摘されたことがある人

 

④本剤を服用している間は、他の胃腸薬は服用しないで下さい。

 

①~③についてです!

ガスター(ファモチジン)は腎臓の機能により用量を調節する必要があるお薬です! 80歳以上の方はもちろん、65歳以上の方は年齢とともに腎機能が落ちてきてしまいます。

生活をしてきて腎機能落ちてきたなーと感じる場面てそうそうないと思います。また、病院で「腎機能は問題ないです」と医師から聞いていても、その年代相当の下がり方をしているから問題がないと言われている可能性もあります。

なので少なくとも80歳以上の方は、市販薬のガスターは利用できないことは注意していただきたいです!

 

また、ガスター(ファモチジン)は再生不良性貧血、汎血球減少、無顆粒球症、溶血性貧血、血小板減少などの赤血球や白血球、血小板の数が減少する可能性のある医薬品です。

なので、ぜんそくやリウマチなどの免疫機能を整える必要のある疾患やステロイド剤を使用している人などは、使用して免疫機能が崩れてコントロール不良になると大変なので、こちらも注意していく必要があります。

 

続いて④についてです!

例えばセルベール(テプレノン)など、ガスター(ファモチジン)と組み合わせても問題のない薬は何種類もあると思います。

市販薬で強い効果が期待できるガスター単体で使用しても抑えられない症状を、併用することでマスクしてしまうことが問題になると考えられます!

胃潰瘍や逆流性食道炎などの発見を遅れて治療が長引いてしまうなどの状況を発生させないためにも、併用の組み合わせは問題なくても併用しないよう注意することが大切と考えております。

まとめ

①市販薬も病院薬も同一成分・効果も同じ!

 

②効果は同じだが、使用方法に違いがある!

 

③使用方法を守って使用すれば、ガスター(ファモチジン)は効果も高くてオススメしたい薬!

最後に

というわけで、市販薬と病院薬のガスター(ファモチジン)についてまとめました!

今回の記事を動画で観る・聴く場合はコチラ!※Youtubeにリンクします!

 

使用上の注意の部分ばかりを長々と書いてしまったためネガティブな記事に見えてしまうかもしれませんが、正しく使用をすればとても頼りになる薬と考えております!!

市販薬は気軽に買える点が良いですが、気軽すぎるのは副作用や治療中の病気の悪化に繋がる場合もあるため注意していきたいですね! 今回はそんな感じの記事でした!!

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