清上防風湯、荊芥連翹湯、十味敗毒湯、桂枝茯苓丸加ヨクイニンの特徴と違い【ニキビ漢方・生薬比較】

くくたる@薬剤師
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【薬剤師歴11年目】
●フリーランス薬剤師
●管理薬剤師歴:調剤3年、OTC1年目
●1人薬剤師歴(調剤):2年

【漢方薬・ハーブの資格】
国際中医師
●ハーバルセラピスト
●シニアハーバルセラピスト
※国際中医師は医師免許ではありません。

 

ニキビって誰もが1度は経験すると思いますが、治りが悪かったり症状が続いたり、痕に残ったりとなかなか厄介ですよね…。

 

そこで今回は、市販でも手に入りやすい4種類の漢方薬と、それぞれに合うニキビの状況について紹介したいと思います!

少しでも参考になれば嬉しい限りです!

清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)とは

赤ニキビに対して使用します!

 

清上防風湯の構成生薬

荊芥(ケイガイ)防風(ボウフウ)百芷(ビャクシ)、薄荷(ハッカ)、黄連(オウレン)、黄芩(オウゴン)、山梔子(サンシシ)、連翹(レンギョウ)、桔梗(キキョウ)、枳実(キジツ)、川芎(センキュウ)、甘草(カンゾウ)

 

生薬の特徴

●解表薬:辛温解表薬と辛涼解表薬の2種類があります!

 

辛温解表薬:体を温めて発汗などにより菌を退治、外に追い出します!

荊芥、防風、百芷が当てはまります!

 

②辛涼解表薬:殺菌などにより菌を外に追い出します!

薄荷が当てはまります!

 

●清熱薬:冷やすことで炎症を抑えます=抗炎症

黄連、黄芩、山梔子、連翹が当てはまります!

 

●排膿薬:膿を分解して外に出す作用です!

連翹、桔梗、枳実が当てはまります!

 

清上防風湯の効能・効果(市販薬)

体力中等度以上で、赤ら顔でときにのぼせがあるものの次の諸症:にきび、顔面・頭部の湿疹・皮膚炎、あかはな(酒さ)

荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)とは

慢性化し始めている赤ニキビに対して使用します!

 

荊芥連翹湯の構成生薬

荊芥(ケイガイ)、防風(ボウフウ)、百芷(ビャクシ)、薄荷(ハッカ)、黄連(オウレン)、黄芩(オウゴン)、山梔子(サンシシ)、連翹(レンギョウ)、桔梗(キキョウ)、枳実(キジツ)、川芎(センキュウ)、甘草(カンゾウ)、柴胡(サイコ)、黄柏(オウバク)、当帰(トウキ)、芍薬(シャクヤク)、地黄(ジオウ)

 

生薬の特徴

清上防風湯+黄柏+柴胡+四物湯の組み合わせになっております!

※黄柏が加わることで黄連解毒湯の組み合わせも完成します。

 

黄連解毒湯:清熱薬

黄連解毒湯処方は、清熱作用のある生薬が4種類含まれており、抗炎症作用が高いです!

詳しくはコチラの記事を参考にしていただけると助かります。

 

●四物湯:補血薬

四物湯処方は身体の栄養となる血・陰液を補給するため、炎症が長引くなどで皮膚が乾燥してきている場合に使用されます!

詳しくはコチラの記事を参考にしていただけると助かります。

 

●柴胡:辛涼解表薬

辛涼解表薬は、殺菌などにより菌を外に追い出します!

 

荊芥連翹湯の効能・効果(市販薬)

体力中等度以上で、皮膚の色が浅黒く、ときに手足の裏に脂汗をかきやすく腹壁が緊張しているものの次の諸症:蓄膿症(副鼻腔炎)、慢性鼻炎、慢性扁桃炎、にきび

十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)とは

ジュクジュクしたニキビに対して使用します!

 

十味敗毒湯の構成生薬

荊芥(ケイガイ)、防風(ボウフウ)、生姜(ショウキョウ)、柴胡(サイコ)、連翹(レンギョウ)、桜皮(オウヒ)、桔梗(キキョウ)、茯苓(ブクリョウ)、独活(ドッカツ)、川芎(センキュウ)、甘草(カンゾウ)

 

生薬の特徴

●去風湿薬:湿気を乾燥させる作用です!

防風、独活が当てはまります!

※清上防風湯では防風を辛温解表と書きました! 辛温解表・去風湿どちらも当てはまります!

 

●清熱薬:冷やすことで炎症を抑えます=抗炎症

連翹、桜皮が当てはまります!

 

●排膿薬:膿を分解して外に出す作用です!

連翹、桔梗が当てはまります!

 

●利水薬:水分代謝を改善します!

茯苓が当てはまります!

 

十味敗毒湯の効能・効果(市販薬)

体力中等度なものの皮膚疾患で、発赤があり、ときに化膿するものの次の諸症:化膿性皮膚疾患・急性皮膚疾患の初期、じんましん、湿疹・皮膚炎、水虫

桂枝茯苓丸加ヨクイニン(けいしぶくりょうがんかよくいにん)とは

茶色、赤紫色など痕に残るニキビに対して使用します!

女性の場合は生理前にニキビが出来て、痕に残るような場合にも当てはまります!

生理痛などが生じている場合には特に体質に合わせる必要があります。

婦人系漢方薬の使い分けはコチラを参考にしていただけると助かります。

 

桂枝茯苓丸加ヨクイニンの構成生薬

桂皮(ケイヒ)、牡丹皮(ボタンピ)、桃仁(トウニン)、茯苓(ブクリョウ)、ヨクイニン、芍薬(シャクヤク)

生薬の特徴

桂枝茯苓丸にヨクイニンが追加された処方構成となっております!

 

●桂枝茯苓丸:血の巡りを改善します=駆瘀血薬

血の巡りが悪くて老廃物が流れなかったり、栄養物が流れてこない状況を改善するため、結果的に痕に残るニキビに対して使用されます!

 

●ヨクイニン:利水・消腫薬

水分代謝を改善したり、排膿、腫れを抑える作用が期待できます!

 

桂枝茯苓丸加ヨクイニンの効能・効果(市販薬)

比較的体力があり、ときに下腹部痛、肩こり、頭重、めまい、のぼせて足冷えなどを訴えるものの次の諸症:にきび、しみ、手足のあれ(手足の湿疹・皮膚炎)、月経不順、血の道症
(注)「血の道症」とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状を指します。

まとめ

清上防風湯

赤ニキビに対して使用!

 

荊芥連翹湯

慢性化し始めている赤ニキビに対して使用!

 

十味敗毒湯

ジュクジュクしたニキビに対して使用!

 

桂枝茯苓丸加ヨクイニン

茶色、赤紫色など痕に残るニキビに対して使用!

 

最後に

というわけで、今回はニキビ治療で使用される漢方薬の使い分けの紹介でした!

 

ニキビといっても色々な状況があるため、タイプに合わせて使用できるとより良いと思いますので、今回の記事が参考になれば幸いです!

くくたる@薬剤師
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