銀翹散、桑菊飲、駆風解毒湯の特徴と違い、使い分け【辛涼解表剤の漢方・生薬比較】

くくたる@薬剤師
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【薬剤師歴10年目】
●ドラッグストア勤務
●管理薬剤師歴:調剤4年、OTC1年目
●1人薬剤師歴(調剤):2年

【漢方薬・ハーブの資格】
●中医学アカデミー卒業! 2022年、国際中医師合格予定!
●ハーバルセラピスト
●シニアハーバルセラピスト

 

銀翹散(ぎんぎょうさん)、桑菊飲(そうぎくいん)、駆風解毒湯(くふうげどくとう)という漢方薬は聞いたことがあるでしょうか? 

 

これらはカゼのひきはじめに使用される漢方薬の1つですが、医療用医薬品(処方せん医薬品)には存在しません(22.2.23現在)!

 

そこで今回は、カゼのひきはじめで有名な麻黄湯、葛根湯、桂枝湯などと比べてどういう特徴があるのか、それぞれの薬の使いわけについて紹介します!

 

銀翹散、桑菊飲、駆風解毒湯は辛涼解表剤に分類されており、衛分証と呼ばれる段階に使われる漢方薬です!

※衛分証:いわゆる風邪のひきはじめで熱がメインの症状。

 

くくたる@薬剤師
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ちなみに麻黄湯、葛根湯、桂枝湯は太陽病と呼ばれる段階に使われます!

※使用する段階が違う点がポイントです!

 

銀翹散・桑菊飲・駆風解毒湯の生薬構成比較

 

おおまかな生薬比較はこのようになっております!

それぞれの特徴についてまとめていきます!

銀翹散(ぎんぎょうさん)とは?

 

銀翹散の構成生薬

金銀花(キンギンカ)連翹(レンギョウ)、牛蒡子(ゴボウシ)、薄荷(ハッカ)、淡豆鼓(タントウシ)、荊芥(ケイガイ)、淡竹葉(タンチクヨウ)、羚羊角(レイヨウカク)、桔梗(キキョウ)、甘草(カンゾウ)

 

銀翹散はどのような人に使うか?

カゼの初期でノドの痛みや熱感、発熱が生じている方!

症状としては、ノドの痛み発熱、咳、頭痛、口渇、汗が出ない・汗は出てもすっきり出ない、風に当たった場合に若干の寒気などが起こります!

 

銀翹散の生薬の特徴

●メインとなる生薬は金銀花と連翹で清熱解毒作用が期待できる!

清熱は熱を冷まして炎症を和らげるイメージです!

特に連翹は清熱解毒薬の中でも腫れを鎮める効果が期待できます!

 

●荊芥、淡豆鼓、牛蒡子、薄荷が解表作用により金銀花、連翹の効果を高める!

解表作用はウイルスや細菌を撃退するイメージです!

 

辛温解表薬:荊芥

辛涼解表薬:淡豆鼓、牛蒡子、薄荷

 

くくたる@薬剤師
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解表による発散作用は辛温解表薬>辛涼解表薬と考えられています。

 

●桔梗と甘草の組み合わせは桔梗湯の処方構成!

桔梗が去痰・排膿作用があり、甘草が炎症を和らげるため、金銀花、連翹をサポートします!

 

●淡竹葉、羚羊角が清熱作用により金銀花と連翹をサポートする!

 

銀翹散の効能・効果(市販薬)

かぜによるのどの痛み・口(のど)の渇き・せき・頭痛

桑菊飲(そうぎくいん)とは?

桑菊飲は辛涼解表剤で代表される薬のため紹介しておりますが、私が確認した限り市販薬・医療用医薬品どちらにも存在しない方剤です…!

煎じ薬ならあるかもしれませんが、今回は私の知識の見直し用に記載します!

 

桑菊飲の構成生薬

桑葉(ソウヨウ)菊花(キクカ)、杏仁(キョウニン)、桔梗(キキョウ)、芦根(ロコン)、連翹(レンギョウ)、薄荷(ハッカ)、甘草(カンゾウ)

 

桑菊飲はどのような人に使うか?

カゼの初期で咳や微熱、微口渇が生じている方!

 

桑菊飲は辛涼解表薬の中では比較的熱を冷ます作用は弱いため、熱が強い場合にはほかの漢方薬の方が適すると考えられます!

  

桑菊飲の生薬の特徴

●メインとなる生薬は桑葉、菊花で辛涼解表薬に分類される!

辛涼解表は温めずにウイルスや細菌を撃退するイメージです!

 

桑葉は潤して熱を冷ますことで乾燥や熱により生じる咳を抑え、菊花は辛涼解表薬の中でも清熱・解毒の作用が期待できます!

 

また、薄荷も辛涼解表薬に分類され桑葉と菊花をサポートします!

 

くくたる@薬剤師
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補足ですが、辛温解表は温めて発汗させてウイルスや細菌を撃退するイメージです!

 

●芦根と連翹が清熱作用があり桑葉と菊花のサポートをする!

芦根は清熱薬の中でも潤わせる作用、連翹は腫れを抑える効果が期待できます!

 

●杏仁と桔梗は桑葉の咳を抑える作用を強める!

 

●桔梗と甘草の組み合わせは桔梗湯の処方構成!

 

駆風解毒湯(くふうげどくとう)とは?

 

駆風解毒湯の構成生薬

荊芥(ケイガイ)、防風(ボウフウ)、羌活(キョウカツ)、牛蒡子(ゴボウシ)、石膏(セッコウ)、連翹(レンギョウ)、桔梗(キキョウ)、甘草(カンゾウ)

 

駆風解毒湯はどのような人に使うか?

ノドの痛みが治まらずに長引き始めた状況の方!

石膏が熱証を強く抑える特徴があり、表面から内部に入り始めた熱に対しても効果が期待できる点が特徴です!

 

内部に入り始めた熱(気分証)についてはコチラの記事で補足しております!

 

駆風解毒湯の生薬の特徴

●石膏が含まれているため清熱作用が強い!

清熱は熱を冷まして炎症を和らげるイメージです!

 

その中でも石膏は清熱瀉火薬に分類され、熱が表面から内部に侵入した状況にも使用できる点が特徴です!

※熱証の強さ:火>熱

 

●解表作用のある荊芥、防風、羌活、牛蒡子が含まれる!

解表作用はウイルスや細菌を撃退するイメージです!

 

辛温解表:荊芥、防風、羌活

辛涼解表:牛蒡子

 

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解表による発散作用は辛温解表薬>辛涼解表薬と考えられています。

 

なので、発散作用は銀翹散よりも駆風解毒湯の方が強いと考えております!

※辛温解表薬と辛涼解表薬の割合で判断

 

●桔梗と甘草の組み合わせは桔梗湯の処方構成!

銀翹散や桑菊飲にも含まれていますので割愛します!

 

駆風解毒湯の効能・効果(市販薬)

体力に関わらず使用でき、のどがはれて痛むものの次の諸症:扁桃炎、扁桃周囲炎

銀翹散・桑菊飲・駆風解毒湯のまとめ

熱からくる風邪の経過で考えると、カゼのひきはじめの中でもより初期には桑菊飲や銀翹散で、熱証が進行し始めている場合は駆風解毒湯が適していると考えております!

 

銀翹散

桑菊飲と比べるとウイルスや細菌を撃退して炎症を抑える効果が高く、ノドの痛みを改善させる効果が高いと考えられます!

 

桑菊飲

銀翹散と比べると肺の機能を整えて咳を抑える効果が高いですが、ノドの痛みや熱証を改善する効果は控えめと考えられます!

 

駆風解毒湯

銀翹散と比べると熱証が長引いて深く入り込み始めた場合にも使用できると考えられます!

 

くくたる@薬剤師
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ノドの痛みに関して、銀翹散で治りが悪ければ駆風解毒湯を使用してみるといいと思います!

最後に

というわけで、今回は銀翹散、桑菊飲、駆風解毒湯の特徴について紹介しました!

 

前回の麻黄湯、葛根湯、桂枝湯の記事に対し、今回紹介した銀翹散、桑菊飲、駆風解毒湯はカゼのひきはじめで熱がメインの症状に対して使用する漢方薬です!

 

カゼの経過とその時点で服用する漢方薬についても紹介しておりますので、興味を持っていただけたら下記の記事をご覧になって下さい!

 

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