L-カルニチンで脂肪代謝改善?役割と欠乏症について【薬剤師監修】

    L-カルニチンについて何が思い浮かぶでしょうか? また、カルニチンが欠乏したときに起こる症状はどのようなものがあるかご存じでしょうか?

    私はカルニチン=脂肪の代謝を上げるという認識と、ピボキシル基を持つ薬剤でカルニチン欠乏症が起こる可能性があるという位の認識しかありませんでした。

    そこで今回はカルニチンの作用の1つである脂肪酸の代謝やピボキシル基によるカルニチン欠乏症について紹介したいと思います!

    L-カルニチンとは?

    L-カルニチンは必須アミノ酸のリジンとメチオニンから肝臓で生合成されたり、食事から摂取できる生体内物質です! ※食品では羊肉や牛肉などの赤身肉に含まれます。

    L-カルニチンの生体内の役割

    ①長鎖脂肪酸のミトコンドリアマトリックス内への輸送

    ②TCA回路や尿素回路などの代謝に重要な遊離CoAプールの維持

    ③細胞毒であるアシル化合物(プロピオニル基など)をカルニチンエステルとして細胞内より除去し尿中へ排泄

    ※エルカルチンFF錠より引用しております。

    L体とは?

    カルニチンをアミノ酸と呼んでいいのかは私の勉強不足でわかりませんが、L-カルニチンはアミノ酸のリジンとメチオニンから生合成されます。

    アミノ酸はL体とD体がありますが、身体を構成するアミノ酸はすべてL体となっております。

    ちなみに、L体とD体の生理活性についてもエルカルチンFF錠のインタビューフォームに記載があったため、下記に引用します。

    「有害な“プロピオニル基”からミトコンドリア機能を保護し、その代謝を賦活する。
    ラット肝ミトコンドリアを用いて、レボカルニチン塩化物(l-体)を光学異性体である d-カルニチン塩化物及び dl-カルニチン塩化物と比較検討した。その結果、l-体はミトコンドリア呼吸活性への抑制作用を示さず、プロピオン酸によるミトコンドリア呼吸能の抑制作用に対して有意な回復作用を示した。」

    カルニチンが欠乏するとどのような症状が起こるか?

    エルカルチンFFのインタビューフォームより引用

    細胞内のカルニチンが欠乏すると、カルニチンの機能が不十分となり肝臓、脳、骨格筋、心筋など種々の臓器で異常が生じ、重篤なカルニチン欠乏症では、低血糖発作による昏睡など生命を脅かす臨床症状を呈し、重篤で不可逆的な臓器障害をきたす。

    ピボキシル基による小児の低カルニチン血症

    セフカペンやセフジトレンなど、ピボキシル基を持つ薬剤を服用することで小児の低カルニチン血症を起こす事例が報告されております。軽度の痙攣(ピクつき)から低血糖症状、意識障害など頻度は多くはなさそうですが、主に1歳位の小児で起こることが知られています。

    ちなみに、カルニチン欠乏症の場合は血中濃度を測る必要があることと、病気であるためサプリメントなどで治そうとは思わないよう注意です!

    ※小児は特に注意!!

    脂肪酸代謝におけるカルニチンの役割は?

    大まかな図ですが、このような感じですね!

    ①細胞内に存在する脂肪酸を燃焼するためにはβ酸化という作業が必要!

    ②β酸化を行うためには、ミトコンドリア内膜にアシルCoAが必要!

    ③細胞内→ミトコンドリア内膜に脂肪酸を輸送するためにカルニチンが必要!

    ミトコンドリアと電子伝達系とATP産生の図

    ※過去に作成したミトコンドリア内の図で、この中にはカルニチンの単語は出てきません。

    β酸化により脂肪酸(アシルCoA)を消費してエネルギー源であるATPを生成するため、代謝が上がると考えられております。

    医療用医薬品のカルニチン製剤の作用機序

    エルカルチンFF錠(レボカルニチン)インタビューフォーム

    【作用部位・作用機序】

    レボカルニチンを投与することにより慢性的なレボカルニチンの欠乏状態は是正され、プロピオニルCoA からプロピオニルカルニチンへの変換が促進される。

    すなわち、レボカルニチンは、生体に対して有害な影響を及ぼすプロピオニル基を、毒性の弱いプロピオニルカルニチンとして、体外(尿中)へ排泄させるとともに遊離 CoA を増加させ、ミトコンドリア機能を保護し、その代謝を賦活してエネルギー代謝を改善させるメカニズムにより治療効果を発現する。

    カルニチンまとめ!

    ①脂肪酸を燃焼(β酸化)する際、燃焼の場(ミトコンドリア内膜)に輸送するためにカルニチンが必要!

    ②食事(赤身肉)やリジンとメチオニンから体内に摂取できる!

    L-カルニチンの摂取をオススメしたい人

    運動しているがなかなか思うように減量できない方!

    最後に

    というわけで、今回はL-カルニチンの脂肪代謝改善についてと欠乏症についての紹介でした!

    カルニチンを摂取したから痩せるとは言い切れないですが、運動をしているのに痩せない方にはカルニチンを勧めると良い結果が出るのではないかと個人的には考えております!

    商品の成分やパッケージは変わることがあります。購入の前に、商品の添付文書を読むか、薬剤師に確認してください。

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    フリーランス薬剤師(調剤薬局・ドラッグストア)
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