コエンザイムQ10(CoQ10)で代謝改善?医薬品とサプリの特徴・違い

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    何年も前に話題になったコエンザイムQ10ですが、皆様は何が良いとされていたのか知っていますか?

    コエンザイムQ10は今もなおサプリメントで人気もあるので、薬剤師の方は服薬指導時にコエンザイムQ10を飲んでいるという人がいた経験もそこそこあるのではないかと思います。

    ちなみに医薬品では心臓のエネルギー代謝を改善する効果があるとされており、サプリメントでは疲れなどに対して健康維持のために使うことが多い印象です。

    今回はそんなコエンザイムQ10にどんな役割が期待できるのか、健康被害などはないのか、医薬品とサプリメントの違いなどを紹介していきたいと思います。

    コエンザイムQ10とは?

    コエンザイムQ10は補酵素の1つで、身体のエネルギー代謝の1部や抗酸化などに役割があると考えられております。

    体内でも合成されますが食事からの摂取も大切なので、一時期サプリメントで話題になったものと考えられます。

    コエンザイムQ10の構造式

    酸化型・還元型コエンザイムQ10とは?

    酸化型:ミトコンドリアの電子伝達系の成分としてATP産生に関与する。自身を還元して、相手を酸化します!

    還元型:抗酸化物質として機能する。自身を酸化して、相手を還元します!

    コエンザイムQ10の吸収について

    コエンザイムQ10は、体内で酸化型⇔還元型で存在しています。

    脂溶性成分のため胆汁酸で乳化され、小腸壁から吸収されます。吸収されリンパ管に移行する過程で還元型になると言われているため、サプリメントでは還元型が主流になってきているようです。

    「酸化型と還元型でどの程度吸収量が違うのか」「年を重ねるごとに酸化型⇔還元型の変換がされにくくなるとのことだが、どの程度違うのか」がよくわからないため、現時点では触れないでおこうと思います。

    ちなみに、20歳を100%としたときの体内のコエンザイムQ10の加齢による減少量については「コエンザイムQ10 - 北海道薬剤師会」で記載があったため、気になる方は検索していただければと思います。

    ミトコンドリアと電子伝達系とATP産生の図

    複合体の働き・補欠分子族・阻害剤
    働き補欠分子族阻害剤
    複合体Ⅰ(NADHデヒドロゲナーゼ複合体)・NADHからCoQに電子を伝達
    ・H+が膜間腔に移動
    FMN
    FeS(非ヘムタンパク質)
    ピエリシジンA
    ロテノン
    アミタール
    複合体Ⅱ(コハク酸デヒドロゲナーゼ複合体)・コハク酸からCoQに電子を伝達
    ※H+の移動を伴わない
    FAD
    FeS(非ヘムタンパク質)
    カルボキシン
    TTFA
    複合体Ⅲ(シトクロムbc1複合体)・CoQからシトクロムcに電子を伝達
    ・H+が膜間腔に移動
    ヘム
    FeS
    アンチマイシンA
    BAL
    複合体Ⅳ(シトクロムオキシダーゼ)・シトクロムcから酸素に電子を伝達
    (2分子H2O生成)
    ヘム
    Cu
    CO(一酸化炭素)
    H2S(硫化水素)
    N3-(アジ化合物)
    CN-(シアン化合物)
    ATP合成酵素複合体(F0F1-ATPase)・ADPをリン酸化してATPを産生
    (酸化的リン酸化)
    ※化学浸透圧説が有力
    (H+駆動力を利用したもの)
    —<ATP合成酵素阻害>
    オリゴマイシンB
    <ATP-ADP交換輸送体阻害>
    アトラクチロシド

    ※脱共役剤:H+勾配消失作用
    ・2,4-ジニトロフェノール(DNP)、CCCP
    ・イオノフォア:バリノマイシン、グラミシジンA

    ミトコンドリア内の図です。 国家試験の時にまとめたものなので、必要ない部分も多々ありますが載せてしまいました。

    クエン酸回路やβ酸化で得られたNADHやFADH2からATPを得る過程でコエンザイムQ10が利用されます。

    ※クエン酸回路は糖質の代謝、β酸化は脂質の代謝で利用されます。

    電子伝達系酵素複合体について

    複合体Ⅰ:NADHの酸化+ユビデカレノン(CoQ10)の還元によりユビキノール(還元型CoQ10)産生

    複合体Ⅱ:コハク酸からフマル酸への酸化+ユビデカレノン(CoQ10)の還元によりユビキノール(還元型CoQ10)産生

    複合体Ⅲ:ユビキノール(還元型CoQ10)からシトクロムcに電子を伝達(電子を渡す=酸化)

    複合体Ⅳ:還元型シトクロムcから酸素原子に電子を伝達(シトクロムcの酸化、酸素原子の還元)

    医薬品のコエンザイムQ10(CoQ10)

    ノイキノン(医療用医薬品)

    成分・1日量

    ユビデカレノン(コエンザイムQ10)30mg

    効能・効果

    基礎治療施行中の軽度及び中等度のうっ血性心不全症状

    薬効・薬理

    虚血心筋での酸素利用効率の改善

    心筋でのATP産生の賦活

    低下した心機能の改善

    抗アルドステロン作用

    薬物動体

    ①初回通過効果は受けない

    ②ノイキノン錠10mg、糖衣錠10mgの血中濃度

    健康成人男子を対象に、クロスオーバー法により錠10mgあるいは糖衣錠10mgをそれぞれ10錠(ユビデカレノンとして100mg注))単回経口投与した際の、血漿中濃度の推移を比較検討した。両製剤共に投与後6時間で最高血漿中濃度(外因性CoQ10として約0.5μg/mL)に達し、以後緩やかに低下して、剤形間に統計学的有意差は認められなかった。

    ユビテンS(市販薬)

    【第3類医薬品】ユビテンS 90錠

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    エネルギー代謝改善型循環器官用薬とパッケージに記載されておりますが、ぼやけて見えませんね…。

    成分・1日量

    ユヒデカレノン(コエンザイムQ10)30mg

    ニコチン酸アミド20mg

    リボフラビン(ビタミンB12)

    酢酸-d-α-トコフェロール(天然型ビタミンE)10mg

    効能・効果

    軽度な心疾患により、日常生活の身体活動を少し超えた時に起こる次の症状の緩和

    動悸、息切れ、むくみ

    「ただし、これらの症状について、2週間ほど使用しても改善が見られない場合は、医師又は薬剤師に相談すること」

    とされています。薬剤師をはじめ、登録販売者やお客様は自身の心臓の状況についてはわかりません! 2週間で改善がない場合は、何か重大な心疾患があるかもしれないため受診して医師に相談していただく必要があるわけですね!

    医薬品とサプリメントのコエンザイムQ10の違い

    ①医薬品に配合されている量よりも、サプリメントに配合されている量の方が多い!

    ※医薬品は1日量30mg、サプリメントは1日量100~300mg(サプリメントの方が量が多い)

    ②医薬品は酸化型のユビデカレノン! サプリメントは混合型や酸化型、還元型など様々!

    医薬品の方が量が少ないというのが私には意外だったので調べたところ、どうやら厚生労働省から食品安全委員会に意見を求めたことが関係しているようです。薬学生だった頃に「厚生労働省が○○に意見を求める」とかなんとなく教わった気がしますが、実例があると面白いなと思ってしまいます。

    (財)日本健康・栄養食品協会でのデータ収集により、1日摂取目安量として300mgまで安全であるというデータが得られたことが、現在のサプリメントの流通に繋がっているみたいですね!

    医薬品とサプリメントの考察

    ①ノイキノン錠・糖衣錠において剤形間に統計学的有意差は認められなかったことと、初回通過効果の影響がないことより特殊な製剤上の吸収過程はないと考えられ、サプリメントでの接種でも吸収はされるものと考えられる。

    ②サプリメントは酸化型や還元型など様々あるため、使用を考える場合にはしっかり確認をする必要がある。

    ③1日300mg以下の安全性が確認されたため、医薬品に比べサプリメントの方が量が多いことは問題ないと考えられる。

    ④基本的には医薬品との併用は問題ないと考えられるが、コエンザイムQ10がビタミンK様作用があるとのことで、ワーファリンとの併用など注意が必要な場合があると考えられる。

    私がサプリメントのコエンザイムQ10の摂取を勧めたい方

    ①糖尿病や肥満などを気にして健康増進を考えている方

    今回の記事で紹介をしておりますが、酸化型コエンザイムQ10がミトコンドリアの電子伝達系でATPを生成に関与しているためです! エネルギー代謝を高めて、脂肪や糖分の燃焼に関与しております。

    2018年に抗肥満・抗糖尿病効果を検討した発表がありましたので、下記にリンクを貼っておきます。(脂肪組織については曖昧な感じがあります)

    コエンザイムQ10による脂肪組織の代謝制御を介した抗肥満・抗糖尿病効果

    ②抗コレステロール治療薬(HMG-CoA還元酵素阻害薬。〇〇スタチン)の服用をされている方

    コエンザイムQ10は体内でも合成されるのですが、抗コレステロール治療薬(HMG-CoA還元酵素阻害薬。〇〇スタチン)を服用することでコレステロールだけでなくコエンザイムQ10の合成についても減少させてしまうためです!

    サプリメントのコエンザイムQ10

    コエンザイムQ10 ダイレクト 30日分【機能性表示食品】

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    機能性表示食品のため「一過性の疲労感の軽減。」と明記されています!

    【注意点】

    ①治療中の病気がある方

    ②使用中のお薬がある方

    ※ワーファリンとの相互作用の可能性あり。もともと体内で合成される補酵素ですが多量接種注意の可能性あるため。

    ③副作用やアレルギーを経験されたことがある方

    上記に当てはまる方は、医師や薬剤師に相談した上で使用の判断を行うようにしてください。

    最後に

    というわけで、今回はコエンザイムQ10の代謝に関する考察記事でした!

    少なくとも軽度~中等度のうっ血性心不全症状への適応がある医薬品がある点や、機能性表示食品として「一過性の疲労感の軽減」が記載ある製品があるため、代謝不足による疲れが生じるような方にはオススメできるのではないかと私は考えております。

    商品の成分やパッケージは変わることがあります。購入の前に、商品の添付文書を読むか、薬剤師に確認してください。

    この記事を書いた人

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    くくたる薬剤師

    仕事
    フリーランス薬剤師(調剤薬局・ドラッグストア)
    資格
    国際中医師、ハーバルセラピスト、シニアハーバルセラピスト

    国際中医師は医師免許ではありません。

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