フラボノイドの利尿作用について構造式の特徴から考察【薬剤師監修】

    フラボノイドと聞いて何が思い浮かぶでしょうか?

    薬学に関わるものであれば授業で聞くことはあったと思いますが、少なくとも私は「抗酸化するのかな?」程度の知識でした!

    人は(私は)、よくわからないものについてはうさんくささを感じてしまうと思っているのですが、メディカルハーブを勉強するとかなりの頻度でフラボノイドの単語が出てきます!

    実はフラボノイドは抗酸化だけでなく様々な作用があり、今回は作用の1つである利尿作用について利尿薬の構造式と比較しながら考察をしていきたいと思います!

    皆様が少しでもフラボノイドやメディカルハーブに興味を持っていただけたら嬉しい限りです!

    フラボノイドの定義

    メディカルハーブでの定義

    フラバス(黄色)を語源とする植物色素で、植物に広く分布します!

    鎮静、鎮痙、発汗、利尿、緩下、血管保護、抗アレルギーなど、さまざまな作用をもたらします!

    抗酸化作用、抗腫瘍作用なども注目されています!

    自然界では、多くは糖と結合した配糖体として存在しています。

    利尿作用があるメディカルハーブ

    ハーバルセラピストの範囲である30種のメディカルハーブの中で利尿作用が記載されているものを、フラボノイドの成分も含め紹介します!

    ※1種類、フラボノイドではなくアントシアニジンも含みます。

    エルダーフラワー

    フラボノイド配糖体(ルチン、クエルシトリン)

    スギナ

    フラボノイド(クエルセチン)

    ソウパルメット(ノコギリヤシ)

    フラボノイドの記載のみ

    ネトル

    フラボノイド(クエルセチン)

    フラボノイド配糖体(ルチン)

    ハイビスカス

    アントシアニン(ヒビスシン)

    ※アントシアニンはアントシアニジンの配糖体です。

    マテ

    フラボノイド(クエルセチン、ケンフェロール)

    フラボノイド配糖体(ルチン)

    リンデン

    フラボノイド配糖体(ルチン、ヒペロシド、ティリロシド)

    フラボノイドの構造式

    利尿ハーブに含まれるフラボノイドの構造式を紹介します!

    クエルセチン(ケルセチン)

    ケンフェロール

    フラボノイド配糖体の構造式

    利尿ハーブに含まれるフラボノイド配糖体の構造式を紹介します!

    ルチン

    クエルシトリン

    ヒペロシド

    配糖体の構造は大きく異なるように見えますが、腸内細菌により糖の部分は加水分解されるため、フラボノイドの部分はクエルセチン(ケルセチン)ですね!

    なので、利尿作用があると考えられるフラボノイドはクエルセチンとケンフェロールの2種類であると考えられます!

    ※赤線部分で加水分解されて、-OHとなります。

    ※リンデンに含まれるティリロシドは構造式が検索できず、ソウパルメット(ノコギリヤシ)に含まれるフラボノイドについては具体名が不明でした。

    アントシアニンの構造式

    利尿ハーブに含まれるアントシアニンの構造式を紹介します!

    ヒビスシン

    利尿効果を持つ医薬品であるトリアムテレンの構造式

    トリアムテレンはK保持性利尿薬の1つですね!

    作用機序は、遠位尿細管でアルドステロンや鉱質コルチコイドに拮抗する作用と尿細管に対する直接作用と考えられていますね!

    結果が出ていることは、トリアムテレンは利尿薬として承認されている=効果があるということですね!

    トリアムテレンとクエルセチン、ケンフェロールの比較

    いかがでしょうか?

    どちらかといえばアントシアニジンの方が4位の=Oがないため構造が近いと考えられますが、ある程度形が似ていると言えると思います!

    少なくとも利尿ハーブに含まれるフラボノイドは、赤丸で囲んだ部分の-OHが含まれていることが共通構造であることがわかると思います!

    利尿ハーブとして使用されている以上、トリアムテレンほどの効果は期待できないとしても構造の類似性はあるため、効き目はあると考えられるのではないでしょうか?

    私のメディカルハーブに対する考え方について

    メディカルハーブは日本では一般的ではないと思うので、私の健康増進におけるメディカルハーブの作用の考え方について紹介したいと思います!

    ①医療用医薬品の代替えにはならない!

    ここは当然という感じではありますが、医薬品は臨床試験を得て効能効果を示せるものなので、医療用医薬品をメディカルハーブに置き換えるという考えはありません。

    ②生活習慣病などの食生活の改善や体質改善には活用できる!

    ただし、生活習慣病など慢性的な症状などでの食生活の改善の必要がある場合は、メディカルハーブの安全性・相互作用を考えた上で活用することは有用であると考えられます!

    以前ブログで紹介したマルベリー(クワの葉)に含まれるデオキシノジリマイシンは、α-グルコシダーゼ阻害作用を持ちミグリトールの元となる成分であるため、食生活の改善として紹介できると考えております!

    ※糖尿病治療中でα-グルコシダーゼ阻害薬を服用していない方について

    メディカルハーブの作用の考え方

    ①メディカルハーブは単一の成分ではなく、多数の成分が組み合わさり効果がある!

    漢方薬に近いイメージでしょうか? 植物由来のため、単一の成分ではないことが特徴の1つですね!

    ②まずはメディカルハーブの作用を受け入れてみる!

    ただし、上にも書いたように医薬品ほどの効果はないとしたうえで、マイルドな効果があると受け入れる感じですね!

    ③なぜ効果があるのか、含まれる成分の構造式を調べる!

    ④似た構造式の医薬品がないかを調べ、共通点を見つける!

    今回行ったのは主に③と④ですね!

    〇〇という効果があるとしたうえで、なぜ効果があるのかを医薬品の構造式で類似したものがあるかを確認して納得していく感じですね!

    PubMedで論文検索も行うとより信頼性は上がると思うので、それも並行して行っていく感じです!

    最後に

    というわけで、今回は利尿作用があるとされるメディカルハーブをピックアップして、それに含まれるフラボノイドを調べて、利尿薬の構造と比較した記事でした!

    メディカルハーブは多数の成分の組み合わせからなると記載しましたが、フラボノイドについては単体の定義で利尿作用が含まれていたためフラボノイドに焦点を当てて調べました!

    少しでもメディカルハーブの可能性について感じていただければ、嬉しい限りです!!

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    くくたる薬剤師

    仕事
    フリーランス薬剤師(調剤薬局・ドラッグストア)
    資格
    国際中医師、ハーバルセラピスト、シニアハーバルセラピスト

    国際中医師は医師免許ではありません。

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