柴葛解肌湯とは?小柴胡湯加桔梗石膏、葛根湯との生薬構成を比較

    オミクロン株に「葛根湯+小柴胡湯加桔梗石膏」が有用な可能性!:日経メディカル

    こちらの記事で柴葛解肌湯(さいかつげきとう)について取り上げられておりますが、症例数がベースの記事で漢方薬の作用については触れられていませんでした!

    そこで今回は、「柴葛解肌湯の作用」と「葛根湯+小柴胡湯加桔梗石膏=柴葛解肌湯」となるかについて紹介します!

    ※ちなみに柴葛解肌湯は国際中医師の試験範囲でもあります!

    柴葛解肌湯(さいかつげきとう)とは?

    PMDAで検索をかけたところ、日本では柴葛解肌湯は市販薬のみ扱いがあるようです!(22.01.30現在)

    柴葛解肌湯エキス細粒G「コタロー」(PMDA)

    ただ、市販薬(コタロー)と国際中医師の方剤学に記載のある生薬構成が若干異なるため、両パターン記載します!

    柴葛解肌湯の構成生薬(コタローの市販薬)

    石膏(セッコウ)、柴胡(サイコ)、葛根(カッコン)、半夏(ハンゲ)、黄芩(オウゴン)、桂皮(ケイヒ)、芍薬(シャクヤク)、麻黄(マオウ)、甘草(カンゾウ)、生姜(ショウキョウ)

    ※青線は下記の方剤学資料と異なる部分

    柴葛解肌湯の構成生薬(方剤学資料)

    石膏(セッコウ)、柴胡(サイコ)、葛根(カッコン)、黄芩(オウゴン)、芍薬(シャクヤク)、羌活(キョウカツ)、白芷(ビャクシ)、桔梗(キキョウ)、生姜(ショウキョウ)、甘草(カンゾウ)、大棗(タイソウ)

    ※赤線は上記の市販薬(コタロー)と異なる部分

    多少むりやりな解釈になってしまうかもしれませんが、下記のようになるのではないかと私は考えております!

    ※羌活、白芷、麻黄、桂枝は辛温解表薬で桂皮は温裏薬に分類

    ※桔梗、半夏は化痰薬に分類

    柴葛解肌湯はどのような人に使うか?

    感冒風寒・寒鬱化熱の症状に対して使用します!

    ●感冒風寒:寒さにやられて生じる風邪症状です!

    ●寒鬱化熱:寒さにより体内に熱がこもって熱症状が出ることです!

    感冒風寒・寒鬱化熱で生じる症状は、比較的軽い悪寒、汗が出ない、頭痛、発熱、目や目の周りの痛み、鼻の乾燥、不眠などです!

    柴葛解肌湯の生薬の特徴

    ●柴胡と葛根は辛涼解表剤に分類される生薬でメインになる生薬です!

    辛涼解表剤は冷やしながら解表ができる生薬です!

    解表薬は表邪を発散させるなどと表現されますが、風邪(かぜ)であれば体表に付着した菌やウイルスを撃退して寒気や熱などを改善するという意味合いがイメージしやすいと思います!

    ※邪のまとめはコチラ!

    柴胡は半表半裏の邪を改善する生薬で、発熱と悪寒が交互に出るような状況などに使われます!

    葛根は解熱生津作用があり、生津は口渇などの乾燥を潤わせて改善させるという意味です!

    また、芍薬と甘草の組み合わせも津液を補う作用が期待できます!

    ●羌活、白芷、麻黄、桂枝は辛温解表剤に分類され、柴胡と葛根の解表作用を高めます!

    辛温解表剤は温めながら解表ができる生薬です!

    ※辛温解表薬のまとめはコチラ!

    ●桔梗と半夏は化痰薬に分類される生薬です!

    化痰薬は痰を改善する役割があります!

    桔梗は化痰だけでなく排膿や開宣肺気の効能があります!

    半夏は湿った痰を改善する作用が期待できます!

    ●石膏と黄芩は清熱薬に分類され、熱を冷まします!

    柴葛解肌湯の効能・効果(コタローの市販薬)

    体力中等度以上で、激しい感冒様症状を示すものの次の諸症:発熱、悪寒、頭痛、四肢の痛み、全身倦怠、口渇、食欲不振、はきけ、鼻腔乾燥、不眠

    柴葛解肌湯、小柴胡湯加桔梗石膏、葛根湯の生薬比較表

    柴葛解肌湯、葛根湯、小柴胡湯加桔梗石膏の構成生薬比較表
    柴葛解肌湯(さいかつげきとう)
    ※市販薬
    柴葛解肌湯(さいかつげきとう)
    ※中医方剤学
    葛根湯(かっこんとう)小柴胡湯加桔梗石膏(しょうさいことうかききょうせっこう)
    石膏(セッコウ)○○○
    柴胡(サイコ)○○○
    葛根(カッコン)○○○
    半夏(ハンゲ)○○
    黄芩(オウゴン)○○○
    桂皮(ケイヒ)○○
    芍薬(シャクヤク)○○○
    麻黄(マオウ)○○
    甘草(カンゾウ)○○○○
    生姜(ショウキョウ)○○○○
    羌活(キョウカツ)○
    白芷(ビャクシ)○
    桔梗(キキョウ)○○
    大棗(タイソウ)○○○
    人参(ニンジン)○

    葛根湯と小柴胡湯加桔梗石膏を併せると、日本の市販薬と中医方剤学の柴葛解肌湯をどちらも合わせたような処方構成になりますね!

    純粋な柴葛解肌湯と異なる点は、化痰薬に桔梗と半夏がどちらも含まれている点と人参が含まれる点ですね!

    最後に

    というわけで、今回は柴葛解肌湯の作用と小柴胡湯加桔梗石膏、葛根湯の生薬構成の比較を紹介しました!

    葛根湯に関する記事はコチラもあります!

    関連記事麻黄湯、葛根湯、桂枝湯の特徴と違い、使い分け【辛温解表剤の漢方・生薬比較】 関連記事葛根湯加川芎辛夷・荊芥連翹湯・辛夷清肺湯の特徴・違い【鼻炎漢方・生薬比較】

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    フリーランス薬剤師(調剤薬局・ドラッグストア)
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    国際中医師、ハーバルセラピスト、シニアハーバルセラピスト

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